2005 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症におけるPPI減弱と神経心理学検査で同定される認知機能障害との関連
Project/Area Number |
17591202
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
河合 正好 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30283352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 教使 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80206937)
三辺 義雄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60181947)
渡邊 知子 浜松医科大学, 医学部, 教務員 (40345830)
中村 和彦 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80263911)
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Keywords | 統合失調症 / PPI / 神経心理学検査 |
Research Abstract |
統合失調症の情報処理能に関して、脳内の広範なneural networkを介する高度な認知プロセスの障害に加え、原始的レベルの情報処理能の障害の併存が想定される。高次脳機能に関わる認知機能障害と、PPIに代表されるより原始的な脳機能の障害が相互にどのような関連をもって、統合失調症という全体像を形成しているかに興味がもたれる。 本研究は、統合失調症に認められる、神経心理学バッテリーテストの施行によって捉えられる高次脳機能障害(認知障害)と、PPIテストによって示される下位レベルの感覚性情報制御システムの障害とは、互いに独立した障害として理解されるのか、否かを明らかにすることを目的とする。 1 対象の選定:DSM-IVの診断基準に合致する統合失調症患者群(50例)と患者群に、年齢、性、教育年数、社会階層をマッチさせた健常対照群(50例)の選定は終了している。 2 PPI:全ての対象に対してPPI測定装置を用いてPPIを測定した。刺激を2ブロックに分け、各ブロックで36回の驚愕刺激を施行した。驚愕刺激のみを与えた場合とは別に、3つの音域の異なる先行刺激を驚愕刺激に先行させて与えた場合の驚愕反応を両側眼輪筋の筋電図として測定した。現在データの解析中であり、専用の解析ソフトを用い、各々の先行刺激におけるPPI値を算出する。 3 神経心理学的検査:現在、IQ評価及び神経心理学的検査を実施し、データの収集を行っている。IQにはWAIS-RまたはWISC-IIIを用い、認知機能の測定には神経心理学テストバッテリー(CANTAB)及びWMS-Rを用いる。 平成18年度には神経心理学データの収集を継続する。さらに、最終的なデータを基に統計学的解析を行い、PPI結果と神経心理学的バッテリーテストの結果との相関を患者群と健常対照群で別々に解析し、両群間の相関の差異を調べる。
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