2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591207
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梅垣 宏行 Nagoya University, 医学部附属病院, 助教 (40345898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 裕介 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (90378167)
赤津 裕康 福祉村病院, 長寿医学研究所, 副所長 (00399734)
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Keywords | ドーパミン / アセチルコリン / 認知機能 / レビー小体型認知症 / アルツハイマー型認知症 / 海馬 / 施設入所 / 運動機能 |
Research Abstract |
本年度は、名古屋大学医学部附属病院老年科外来に通院中のDementia with Lewy bodies (DLB)患者に4名に対して、L-ドーパの投与前後での認知機能検査を実施した。患者は女性3名、男性1名で、平均年齢は74.6歳であった。施行されたテストは、Mini-Mental State Examination (MMSE)、国立精神神経センター版物語再生テスト、Wechsler成人用知能検査改訂版(WAIS-R)の符号検査、Strooptテスト、Alzheimer's Disease Assessment Scale (ADAS)の言語再生テストである。 L-ドーパの平均投与量は62.8mgであった。 投与前と1、3ケ月目までの評価では、有意な改善を示した認知機能検査はなかった。 Molleyらは、2006年にNeurology誌に、認知症を伴うパーキンソン病、認知症を伴わないパーキンソン病とDLB患者にL-ドーパを投与した際の認知機能に対する急性効果を報告しているが、それによれば、前例で自覚的な覚醒度の改善効果があったものの、意識レベルの変動が大きくなり、全体として認知機能に有意な変化を認めなかったとされている。また、平均のL-ドーパの投与量は95-137mgと我々の検討よりも多かった。 この報告を参考に、今回の検討で認知機能検査に有意な改善が認められなかった理由を考察すると、1)L-ドーパの投与量が少なかったこと、2)L-ドーパによって意識レベルの変動が大きくなったために、改善の検出が難しくなったことの2つがあげられる。
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