2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体肝移植患者の術後経過に対する術前の心理社会的予測因子に関する研究
Project/Area Number |
17591209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野間 俊一 京都大学, 医学研究科, 助手 (40314190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 晶子 京都大学, 医学研究科, 助手 (70378636)
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Keywords | 生体肝移植 / レシピエント / ドナー / 精神障害 / 心理社会的評価 / 術後経過 |
Research Abstract |
平成14年から16年にかけて、京都大学医学部附属病院において生体肝移植術を施行された16歳以上のレシピエントおよびそのドナー67組に対して、移植術直前に各種心理検査(WHOQOL-26、STAI、BDI、Baum Test)を施行し、またPACT(Psychosocial Assessment of Candidates for Transplantation)で心理社会的状況を評価した。そこで、術後3ケ月の身体的および精神的状態と術前の心理社会的状態との関連を統計学的に比較した。その結果、過去に精神疾患の既往歴のない者ほど相対的に術後の身体的経過が良好であり、健康的な生活習慣を維持できない者ほど術後に精神障害を呈する割合が高いという結果が得られた。これらのデータを整理し、現在学術雑誌に投稿中である。 前回調査したレシピエントおよびドナーは、現在移植手術後2年から4年が経過している。術前の心理社会的状態と術後の長期経過との関連を調べるために、67組のレシピエント・ドナーのうち生存者に対して、術前と同様の検査用紙(WHOQOL-26,STAI,BDI)と精神科疾患の有無を問うアンケート用紙を発送する準備を行った。 平成17年11月29日、群馬移植研究会の第26回学術講演会に招待された(場所:群馬大学医学部刀城館)。「生体肝移植患者の精神医学的・心理社会的諸問題」という講演を行い、その中で、これまでの生体肝移植レシピエントおよびドナーについてのわれわれの臨床経験を紹介した。 また、消化器領域、看護領域、児童青年期精神医学領域、臨床心理学領域において、生体肝移植に関する論文を5本発表した。
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Research Products
(5 results)