2005 Fiscal Year Annual Research Report
経頭蓋磁気刺激による統合失調症患者の大脳皮質の抑制・興奮性の検討
Project/Area Number |
17591228
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
篠崎 和弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40215984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 富基美 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (10347586)
郭 哲次 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (70185718)
松本 直起 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60326361)
森田 佳寛 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (90336884)
石井 良平 大阪大学, 大学院・医学系研究科・医学部, 助手 (40372619)
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Keywords | 統合失調症 / 経頭蓋磁気刺激TMS / 運動閾値 / prepulse inhibition (PPI) / GABA / ICI / ICF |
Research Abstract |
統合失調症患者ではNMDA受容体機能低下が脆弱性として存在し、発症時にはドパミンとグルタミン酸の過剰放出、GABA神経細胞の急激な機能低下が起こっていると考えられている。一方、経頭蓋磁気刺激TMSの2連発刺激による皮質内抑制Intracortical inhibition(ICI)は皮質内神経回路を構成するGABA神経機能を、またprepulse inhibition(PPI)はNMDA受容体機能低下と認知障害を反映するとされている。 そこで運動閾値、二連発磁気刺激で運動野興奮性の促通・抑制を統合失調症患者3名、健常者5名で検討した。服薬2例では運動閾値亢進(p<0.05)、促通亢進(p<0.01)がみられたが、未服薬1例では健常群との差異がなかった。服薬による促通充進はすでに報告され(Goff,2000)、抗精神病薬がドパミン系を抑制し興奮性アミノ酸系を賦活すると解釈されており、これと同様の結果であった。次年度の課題として(1)服薬群で運動閾値亢進と促通亢進と逆方向の変化がみられたことの解明、(2)GABA系細胞の減少が統合失調症で報告されておりICI低下が期待されるところであるがその確認があげられる。 聴覚性驚愕反応Prepulse inhibition(PPI)とWisconsin Card Sorting Test(WCST)が統合失調症患者で報告され、ともに前頭前野機能が関連し、とくにPPIは患者だけでなくモデル動物での異常が報告されている。まず健常者20名で検討したがPPIとWCSTに関連は見られなかった。次年度は患者で検討する。
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Research Products
(5 results)