2006 Fiscal Year Annual Research Report
AMPA型グルタミン酸受容体の輸送に注目した精神疾患の候補遺伝子研究
Project/Area Number |
17591237
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
服部 栄治 独立行政法人理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, 研究員 (80399443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩山 佳美 独立行政法人理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, リサーチアソシエイト (60399441)
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Keywords | 候補遺伝子 / 統合失調症 / 双極性障害 / 関連研究 / 連鎖不平衡 / 病的代謝経路 / AMPA型受容体 |
Research Abstract |
1.本研究の主目的は、精神疾患の候補遺伝子としてAMPA型グルタミン酸受容体の運搬に関わる遺伝子群に注目し、これらについて統合失調症および気分障害との関連の有無を調べることである。今回、AMPA型グルタミン酸受容体の運搬に関わる候補遺伝子として、DLG4(PSD-95)、DLG1(SAP-97)、PRKCABP(PICK-1)、MDM2の4つを選んだ。HapMapデータベース(http://www.hapmap.org)から、これらの遺伝子近傍に存在する一塩基多型(SNP)の情報を得て、SNP相互の連鎖不平衡解析により、日本人および中国人集団においてゲノム変異に関する情報を最も多く供給すると考えられるSNPセット(tagSNPs)を選択した。現在、遺伝子型判定の結果を集計し、データ品質の点検および統計解析(伝達不平衡テスト、多型間の連鎖不平衡解析、ハプロタイプ解析)を行っている(データは未公表)。 2.本研究では、AMPA受容体の運搬経路に注目したが、他に注目すべき候補遺伝子群を同定すべく双極性障害死後脳の系統的発現解析のデータをもとに遺伝子関連解析を行った。その結果SSTが原因遺伝子として有望であることを突き止めた(Nakatani et al. 2006)。 3.その他、DRD4遺伝子と統合失調症の関連研究を行った(Nakajima et al. 2006)。我々は上流域の変異が疾患に関与する可能性を指摘した。従来、従来特に注目されてきた繰り返し多型(エクソン3)については関連が認められなかった。さらに、我々は繰り返し多型部位に自然淘汰が働いたかを明らかにするために解析および検討を加えている。
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Research Products
(4 results)