2006 Fiscal Year Annual Research Report
PTSD患者の外傷刺激fMRIによる脳賦活部位の、認知行動療法による変化の検討
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17591239
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
金 吉晴 国立精神・神経センター, 精神保健研究所 成人精神保健部, 部長 (60225117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 聡美 国立精神・神経センター, 精神保健研究所 成人精神保健部, 室長 (20285753)
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Keywords | PTSD / 認知行動療法 / fMRI |
Research Abstract |
PTSDに対する治療法として、国際的に第一選択とされているものはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)とCBT(認知行動療法)である。本研究では米国のEdna Foaらによって開発された持続エクスポージャー法(PE)を採用し、PTSD患者にこれを施行し、その効果を検証すると共に、治療の開始前、終了後にfMRIによる脳血流量の変化を測定することを目標とした。7名の患者にPEを施行した。fMRIの撮像に当たっては、被害に関連した、また被害と関連しない新聞記事の読み聞かせを行い、両者の間の脳血流量の差を取った。従来研究では画像刺激による辺縁系の血流変化を見たものが多いが、本研究では皮質の昨日変化に着目したため、言語的処理を含む刺激提示を行った。解析の結果からは、従来PTSDで賦活が報告されている海馬扁桃体の賦活は認められなかったが、これは文章刺激を用いたためと考えられる。治療前は後頭葉の視覚認知に関連する領域に有意な血流の増加が認められたのに対し、治療後は、その領域の血流増加は消失し、優位半球前頭葉Broca領域の血流の有意な増加が認められた。この変化は、PTSDの回復過程を反映する可能性、患者のトラウマ体験の特質を反映する可能性、またこの治療が被害体験を言語化するため、治療の特性を反映する可能性が考えられる。治療の有効性を客観的画像所見において確認するための基礎的知見が得られた。
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