2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591241
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
根本 建二 Yamagata University, 医学部, 教授 (10208291)
|
Keywords | 食道癌 / 化学放射線療法 / 反応予測 / 免疫 |
Research Abstract |
切除可能食道癌に対する化学放射線療法施行例につき免疫組織学的検討で、食道が温存可能な症例であるかどうかの検討を行った。検討した因子はKi-67, Cyclin D1, VEGF, uPA, PAI-1である。単変量解析ではVEGFの発現++例、uPAの発現+例で局所制御が有意に高頻度、多変量解析ではVEGF発現が統計学的に有意な因子であった。また、生存率をエンドポイントとして検定を行ったが、uPAの発現が有意な因子であり、uPAの発現の少すくない症例での5年生存率は86%であったのに対し発現の多い症例では53%とp=0.03にて有意差を認めた。以上の結果より、VEGFとuPAの発現が少ない症例では効率に化学放射線療法のみで治癒が期待できることが判明した。現在、切除可能食道癌症例では、手術と化学放射線療法を患者に選択させる場合がある、その際により高率に切らずに治癒が期待できる症例と、化学放射線療法では予後が不良な症例の鑑別が可能となった。食道癌の化学放射線療法の適応を決める際には、標準的に免疫染色を行い、予後を予測した上で患者に治療を選択してもらうという治療の個別化が可能となり、化学放射線療法抵抗例に対する治療減らすことが可能となり、食道癌の治療成績の大幅な改善が達成できる可能性が示された。
|
Research Products
(6 results)