2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591243
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福光 延吉 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (40277075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20266638)
福田 隆浩 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60228913)
清野 泰 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 (50305603)
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Keywords | パーキンソン病 / MIBG / ノルエピネフリン |
Research Abstract |
週齢15週のC57B16マウス(オス)にMPTPを腹腔内に投与し、パーキンソンモデルのマウスを作成した。1回あたりのMPTP投与量は40mg/体重kgとした。マウスをコントロール群、MPTP投与1日後、4日後、7日後、21日後、さらに、21日後まで3回投与群の計6群に分類した。各群のマウスの匹数は14匹とした。脳と心臓をすみやかに摘出した。摘出した脳より、線条体部の切片より組織を摘出し、ドーパミン含有量を測定した。心臓を生理食塩水内で洗浄し心腔内の血液を洗い流し、重量を測定した後、ノルエピネフリン、チロシンの含有量を定量的に測定した。各群における脳線条体部のドーパミン含有量(pg/wet.g:平均値±標準偏差)は、コントロール群4982594.8±79452.5、1日後群221415.7±148.4、4日後群1895057.7±6503.4、7日後群1869186.0±14204.4、21日後群1660779.0±48190.9、さらに、21日後まで3回投与群328747.3±736.1であった。コントロール群に対して、1日後群、4日後群で低値を認め、さらに、21日後まで3回投与群は、7日後群や21日後群に対して、有意に低値を認めた。各群における心臓内のノルエピネフリン含有量(pg/wet.g:平均値±標準偏差)はコントロール群678231.1±59276.2、1日後群224524.9±45490.2、4日後群493393.4±57141.9、7日後群588828.6±113558.4、21日後群647355.9±71467.3、さらに、2日後まで3回投与群500429.1±119285.4であった。コントロール群に対して、1日後群、4日後群で低値を認め、さらに、21日後まで3回投与群は、7日後群や21日後群に対して、有意に低値を認めた。また、チロシンの含有量については、各群で有意差を認めなかった。心臓内のノルエピネフリン含有量はMPTP投与1日目から急速に低下し、徐々に回復し、7日目程度でほぼプラトーに達するが、繰り返し投与でさらに低下する事が明らかとなった。また、その変化は脳線条体のドーパミン含有量と同様の変化を示すことから、パーキンソン病モデルに特異的な変化と考えられた。さらに、チロシンの値に各群に有意差を認めないことから、この心臓内ノルエピネフリン含有量の変化はノルエピネフリン代謝経路の末端で生じていることが示唆された。
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