2006 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部・大脳皮質へのX線・重粒子線局所照射が学習・自発運動活性に及ぼす晩期障害
Project/Area Number |
17591249
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宇野 隆 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (30302540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 久夫 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20095574)
川田 哲也 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (60234077)
内田 佳孝 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (30261902)
磯部 公一 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (80334184)
本折 健 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (30344998)
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Keywords | 炭素イオン線 / 脳幹部照射 / 自発運動 / メタンフェタミン |
Research Abstract |
脳腫瘍に対する放射線治療では、目的照射部位以外の正常脳組織に対する照射は、できる限り回避する。しかし、腫瘍の発生部位や種類によっては、正常組織への被ばくを避けられない。本研究では、MAP等の運動活性増加パターンや水迷路法による学習・記憶の判定法から正常脳組織の神経伝達機構に対する照射の影響を経時的に検討することを目的とする。本研究では中枢神経興奮作用を持つメタンフェタミン(覚醒剤methamphetamine : MAP)の運動活性増加効果を利用し、運動量の変化から脳に対する放射線障害を推定する方法を考案した。本研究では学習・記憶に関する検討は、コンピュータ管理された水迷路学習装置により、照射による脳の機能障害を経時的に観察した。MAP投与による車回し運動活性は照射群(直線距離452.7m/90分間)および対照群(同492.9m/90分間)で初回の測定が最も高い行動量が測定された。対照群ではMAPの投与頻度に依存した運動量の低下が2回(6週後)から5回(22週後)でみられた。一方、照射群ではMAPの投与回数に依存した運動量の低下はみられず、照射10〜22週後では対照群に対し有意な運動量の増加を示し、26〜30週後には対照群のレベルまで運動量が低下した。このことは大線量照射による急性期障害(脳浮腫)が照射局所に発現している可能性を示唆し、その浮腫による血行障害を周囲の血流を促進することによって補っていると推測された。
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Research Products
(2 results)