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2005 Fiscal Year Annual Research Report

放射線感受性増強を目的とした新規遺伝子治療の試み

Research Project

Project/Area Number 17591250
Research InstitutionChiba Cancer Center Research Institute

Principal Investigator

二村 好憲  千葉県がんセンター(研究所), 生化学研究部, 研修生 (50345021)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 川田 哲也  千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (60234077)
関 直彦  千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50345013)
Keywords放射線感受性 / 遺伝子治療
Research Abstract

I)目的
放射線を照射すると、細胞内DNAの二重鎖結合に損傷が発生し、その修復には主に非相同性末端結合(NHEJ : Non-Homologous End Joining)が関与している。NHEJで働く蛋白、Ku80を欠損した細胞株では、二重鎖結合損傷を修復することができず、放射線感受性が増加する。そこで、腫瘍細胞内のKu80発現をsiRNAで選択的に抑えた後に放射線を照射し、腫瘍の種類および照射後生存率に関係なく放射線感受性を増強させられるか、検討している。放射線治療の有効性を高めること、また照射法の工夫による放射線治療適応拡大が研究の目的である。
II)H17年度の結果
(1)7種類の癌細胞株(肺癌、食道癌、膵臓癌、前立腺癌、子宮頸癌)にKu80siRNAを導入し、ウエスタンブロットにてKu80蛋白発現抑制を確認した。この導入にあたっては、日本企業初の新規ベクターであるHVJ Envelopeベクターを用いて行った。Ku80siRNA導入後の放射線照射による生存率の検討では、Ku80siRNAを導入すると、元の親株より2Gy照射後の生存率が、10-26%減少した。γ-H2AX染色の結果から、Ku80siRNA導入後に放射線を照射すると、放射線照射単独よりγ-H2AX染色陽性細胞の比率が高く、したがって、生存率の減少はDNA損傷の修復障害であることが証明された。この結果に関して、論文投稿の準備中である。
(2)肺癌細胞株H1299の腫瘍細胞をヌードマウス皮下に移植し、4Gy1回照射群と非照射群の腫瘍増殖速度を得た。マウス皮下における、よりよい腫瘍生育環境を把握することができ、in vivo実験の準備は完了した。
III)H18年度の予定
(1)in vitro実験ではすべて1回導入、1回照射の系で実験を行ったが、実際の臨床プロトコールは連日照射である。このため、in vivo実験では治療法に近いプロトコールを考案し、治療効果の向上を検索する。
(2)現在肺癌細胞株で実験を進めているが、他癌細胞株の検討も行う予定である。
(3)Ku80siRNA局注後の、周囲組織への影響を検討する。特に正常組織の放射線感受性が増強して、重篤な障害を受けているか、病理学的考察などを考慮して検索する。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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