2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591261
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
植松 秀昌 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (00313768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 春海 福井大学, 医学部, 教授 (40026943)
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Keywords | 肺 / 摘出肺 / MRI / 形態画像 / 機能画像 |
Research Abstract |
我々は、平成17年度に核磁気共鳴画像(以下MRI)を用いたラット空気伸展固定肺の解析方法を確立したが、平成18年度は、急性肺疾患(ARDS)モデルを使用することにより、病変肺の高分解能MR画像と高分解能CT画像や病理との比較検討をおこなった。 結果は、視覚的評価ではARDS群ではMRI、CTともに肺野にすりガラス状・網状の病変が認められ、全例において両者はほぼ同等の画質と評価された。H-E所見との対比により、これらの画像所見は肺胞内の浸出液、間質の肥厚といった病理的変化を反映したものであった。定量的評価では、コントロール群のT1値は750.3±103.1ms、T2値は14.3±0.5msであり、ARDS群のT1値は707.9±157.2ms、T2値は22.8±3.5msであった。ARDS群ではコントロール群に比べ、有意にT2値の延長が見られたが(P<0.05)、T1値の有意な変化は見られなかった。今回、ARDSモデルにおいては、組織学的にはそれほど強い細胞浸潤はなく、我々は磁化率効果の軽減がT2値延長の機序と考えた。 肺の解析において、MRIはCTと同等の形態情報を提供し、またT1、T2値などの緩和時関による機能情報をMRIが併せ持つことを実証したこの研究結果は、新たな知見であり、本年度の国際学会(第14回国際核磁気共鳴医学会、於シアトル(米国)、平成18年5月)において学術発表を行った。来年度は、また超高磁場MR装置(当院設置の3テスラ装置)の使用により、さらに高分解MR画像も期待できるので、症例数を増やし3テスラ装置の使用も予定している。これらの研究について、最終的な結果を学会報告し、査読のある学術雑誌に発表する予定である。
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