2006 Fiscal Year Annual Research Report
超高磁場MRSデータ解析法の開発と前立腺癌悪性度診断システムの確立
Project/Area Number |
17591267
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
楫 靖 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10273947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 和朗 神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00136384)
藤井 正彦 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (00228959)
藤澤 正人 神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30243314)
黒田 輝 東海大学, 電子情報学部, 助教授 (70205243)
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Keywords | 前立腺癌 / クエン酸 / MR spectroscopy |
Research Abstract |
1.未治療前立腺癌患者を対象としたMRI・MRS測定 平成18年度は37名が研究のボランティアとして参加した。良好な画質が得られない症例を検討から除いた結果,MRSで癌が疑われたのは9例であった。手術を選択される症例が少なかったので、平成17-18年度の症例をあわせて29例で生検病理との対比を行った。MRSで得られた(コリン+クレアチン)/クエン酸ピーク比(CC/C)は、辺縁域、移行域とも癌のほうが健常に比して有意に高い値を呈した(いずれもp=0.002)。また、CC/Cと悪性度をあらわすグリソンスコアとの相関係数を求めたところr=0.686とかなり強い相関を示した。CC/Cは侵襲性評価の指標の有力な候補と考えられた。 2.前立腺癌3次元表示ソフトの開発 平成17年度までに作成した、3次元ボリュームレンダリング画像にMRS癌指標を重畳するソフトウエアに拡散強調画像の処理機能を付加し、機能の充実を図った。拡散エンコードの程度を決めるb値というパラメータを変えて撮像した複数の画像の画素毎に、単成分拡散モデルあるいは二成分拡散モデルをあてはめて、見かけの拡散定数ならびに(二成分の場合は)速い拡散成分と遅い拡散成分の占有率を求めるようプログラムした。二成分拡散モデルでは、非線形最小二乗アルゴリズムにおける初期値依存性が著しかったが、初期値が良好な場合には文献値と合う拡散定数値ならびに占有率が得られた。単一成分モデルでは患部に対応した拡散定数の分布が得られ、本機能の有用性を確認することができた。上述の機能を含めたソフトウエア全体のユーザーインターフェースの充実を図った。ROIの設定、ROI内での算出目標パラメータの選択、算出結果のマッピングにおける画像重畳の際の画像の透過度の調整などを、マウスの操作で行なえるように改良した。これらの結果、操作性に優れたソフトウエアのプロトタイプが完成した。
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