2006 Fiscal Year Annual Research Report
病巣遠隔部の二次変性:3テスラMRIとSPECTによる神経細胞密度の定量的解析
Project/Area Number |
17591270
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小川 敏英 鳥取大学, 医学部, 教授 (00125709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邉 芳雄 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教授 (40217112)
杉原 修司 鳥取大学, 医学部, 助手 (60291465)
松末 英司 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (30325013)
大浜 栄作 鳥取大学, 医学部, 教授 (50018892)
|
Keywords | 二次変性 / 3テスラMRI / SPECT |
Research Abstract |
平成18年度は新たに一側の視床出血2例,被殻出血1例を対象に,発症2週間前後の時期に3TMRI並びに[^<123>I]Iomazenilを用いたSPECT検査を施行し,平成17年度に同様の検査を施行し得た5例を加えた計8症例の検討を行った。[^<123>I]Iomazenil投与後20分後の早期像は主に血流量を反映すると考えられるが,血腫側の大脳皮質における[^<123>I]Iomazenilの集積は,健側大脳半球に比べ明らかに低下していた。一方,[^<123>I]Iomazenil投与3時間後の後期像は神経細胞密度を反映するが,健側の大脳皮質に比べ血腫側では集積低下が観察されたものの,早期像と比べるとその集積低下域は縮小していた。中でも,小さな血腫ではその傾向は顕著であった。小脳半球皮質における[^<123>I]Iomazenilの集積に対する大脳皮質の集積比では,血腫側では健側に比べ平均15%の集積低下を認めた。 3TMRIを用いた拡散強調像の検討では,前年度と同様に血腫側の灰白質の信号異常はなく,ADCおよびFA共に健側と比べ有意な変化は観察されなかった。なお,剖検脳のMRIは剖検例の減少に伴い僅か10例に施行し得たに過ぎず,神経細胞密度を評価する適切な症例は得られなかった。 今年度の検討症例を加えた結果からも,被殻および視床の出血巣から離れた遠隔部の大脳皮質においては,出血発症後の早期の段階から,単に血流量の低下のみならず神経細胞脱落が生じていることが明らかになった。平成19年度では更に症例の蓄積を図ると共に,神経細胞密度の測定に適した剖検例を得ることで神経細胞密度の減少を確認したい。
|
Research Products
(1 results)