2006 Fiscal Year Annual Research Report
MRIとCTによるAdamkiewicz動脈の診断法の開発
Project/Area Number |
17591291
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
吉岡 邦浩 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (70210648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 隆之 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50244918)
新沼 廣幸 岩手医科大学, 医学部, 助手 (90382598)
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Keywords | MRI / CT / 大動脈 / 大動脈瘤 / 脊髄 / 脊髄循環 / 血管造影 / Adamkiewicz動脈 |
Research Abstract |
1.昨年度の基礎的な検討で得られたMRIとCTの撮影方法を用いて、同意の得られた真性大動脈瘤、解離性大動脈瘤を有する30症例に対してMR血管造影とCT血管造影の両方を行った。 2.その結果、Adamkiewicz動脈に特徴的とされる「ヘアピンターン」の描出をAdamkiewicz動脈描出の診断基準とした場合にはMR血管造影で93%、CT血管造影で83%の診断率であった。より厳密に大動脈からAdamkiewicz動脈を経て前脊髄動脈に至る連続性の証明を診断基準とした場合の診断率はMR血管造影で80%、CT血管造影で60%であった。これを、CT血管造影あるいはMR血管造影のどちらかで診断した場合にはそれぞれ97%と90%の診断率であった。 3.Adamkiewicz動脈を分岐する親動脈(肋間動脈あるいは腰動脈)の閉塞、それに伴う側副血行路の形成は23%の症例に認められ、決して稀な病態ではないことが判明した。 4.側副血行路としては同側の筋枝を介するものが最も多く、全体の71%を占めていた。その他には同側の内胸動脈を側副血行路とする稀な症例も認められた。 5.MR血管造影の欠点としては、撮影手技が煩雑で撮影にも高度の技術を要することと、撮影範囲が制限されるために一部の側副血行路が描出されない点が挙げられる。 6.CT血管造影の欠点としては、解離性の大動脈瘤において描出率が低い点、骨棘などの骨病変がある場合には描出が著しく困難になる点が挙げられる。 7.MRI,CTともに検査に伴う有害事象は発生しなかった。 8.本研究の対象となり、その後に手術を受けた症例で術後対麻痺や脊髄梗塞が発生した症例はなかった。
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Research Products
(5 results)