2006 Fiscal Year Annual Research Report
担癌動物に対する集学的治療後の治療効果判定における高分解能MRIの検討
Project/Area Number |
17591297
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
的場 宗孝 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (90288308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 啓 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30182695)
大口 学 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10176852)
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Keywords | 放射線 / VX2 carcinoma / MRI / MR spectroscopy |
Research Abstract |
【方法】 担癌動物作成には、日本白色家兎(雌;体重3.0〜3.5kg)を使用した。兎の両側大腿部皮下にVX2 carcinomaを移植し担癌動物作成を行なった。腫瘍移植後、腫瘍径が約2cm大になったところで9MeVの電子線を用いて30Gyを1回照射した。放射線照射群は3群のサブグループに分類し、照射後3日、7日、14日後にMRIとMRSを撮像し、腫瘍を摘出して病理学的検索を行なった。 【検討項目】 (1)MRIの信号強度変化に対応した病理所見の検討。 (2)放射線照射後のMRI信号強度比(腫瘍部/筋肉)と病理所見の対比。 (3)病理所見と放射線照射後のMRSの経時的変化。 【成果】 視覚的に高分解能MRIは、組織像をよく反映していた。MRIの信号強度変化と病理組織学的変化の相関において、放射線照射3日後に見られた早期壊死部と残存腫瘍部との判別はMRIの信号強度変化だけでは困難と考えられた。しかし、放射線照射7日後、14日後に見られた液化壊死部は、T2強調画像で明瞭な低信号被膜に囲まれた高信号を呈し、病理組織学的変化とよく相関していた。また、MRIの信号強度比の定量的評価においても早期壊死部と残存腫瘍部の間に統計学的な差は見られなかったが、液化壊死部ではT2強調画像で有意に高値を示した。造影MRIも壊死と残存腫瘍部との鑑別に有用な情報をもたらすが、液化壊死部周囲の被膜様構造の造影効果と残存腫瘍部の造影効果は同等で造影MRIでは鑑別困難であったが、T2強調画像では被膜様構造は明瞭な低信号を呈し残存腫瘍部との境界が明瞭であった。従って、造影MRIとT2強調画像の両者の所見を合わせて考えることが必要と思われた。^1H-MRSに関しては、放射線照射3日後からCho/GrとLac/Crの増加が検出され、早期壊死の診断への有用性が推測された。
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