2005 Fiscal Year Annual Research Report
シグマレセプターを標的とする癌の分子イメージング画像診断剤の開発に関する研究
Project/Area Number |
17591298
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
大桃 善朗 大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (70183241)
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Keywords | 分子イメージング / 画像診断 / 癌診断 / 放射性医薬品 / シグマレセプター / SPECT |
Research Abstract |
シグマレセプターは種々の腫瘍細胞に高濃度に発現し、腫瘍の形成や細胞分裂に大きく関与している。また、シグマレセプター作用薬剤は腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、腫瘍細胞増殖抑制作用を持つことが明らかとなってきた。 従って、腫瘍細胞に過剰に発現するシグマレセプターは、これを分子標的とする新たな作用機序を持つ腫瘍の新規治療薬ならびに診断薬開発のターゲットとして有望であると考えられる。 今年度の研究では、これまでに継続して研究してきた1-[2-(3,4-dimethoxyphenyl)ethyl)-4-[3-(2-iodophenyl)propyl]piperazine(o-BON)をリード化合物とし、その3,4-dimethoxyphenyl]基を3,4-methylenedioxyphenyl基に置換した化合物(DOK)、4-hydroxy-3-methoxyphenyl基に置換した化合物(MOH)、もしくは、3,4-dihydroxyphenyl基に置換した化合物(DIP)の3種の新規誘導体を合成し、それらの生物学的活性を測定した。 新規に合成した化合物のうちDOKとMOHは、腫瘍細胞を用いたインビトロレセプター結合実験において、いずれもo-BONの3倍程度の高いシグマレセプター選択的結合親和性を持つことを見出した。 また、これら化合物の癌成長抑制作用を、A-375腫瘍細胞を用いてインビトロ、インビボ双方において検討した。その結果DOKとMOHでは、o-BONと比較して、癌成長抑制作用の増強が確認され、シグマレセプターに対する結合親和性の向上を反映したものと推察された。 さらに、これら誘導体による細胞死の様式について検討した結果、これら誘導体の癌成長抑制作用は、アポトーシス誘発によるものであることを確認した。 このようにこの2つの新規化合物は、シグマレセプターに対する親和性などの性質においてリード化合物を上回る優れた性質を有するものと期待された。
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