2006 Fiscal Year Annual Research Report
シグマレセプターを標的とする癌の分子イメージング画像診断剤の開発に関する研究
Project/Area Number |
17591298
|
Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
大桃 善朗 大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (70183241)
|
Keywords | 分子イメージング / 画像診断 / 癌診断 / 放射性医薬品 / シグマレセプター / SPECT |
Research Abstract |
シグマレセプターは種々の腫瘍細胞に高濃度に発現し、腫瘍の形成や細胞分裂に大きく関与している。また、シグマレセプター作用薬剤は腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、腫瘍細胞増殖抑制作用を持つことが明らかとなってきた。従って、腫瘍細胞に過剰に発現するシグマレセプターは、これを分子標的とする新たな作用機序を持つ腫瘍の新規治療薬ならびに診断薬開発のターゲットとして有望であると考えられる。 診断薬は、薬理学的活性を持つことに加えて、さらに生体内における動態が重要であり、投与後早期に標的癌組織に集積し、また他の非標的組織から排泄され、良好な癌組織対非標的組織比が得られることが重要である。 そこで本年度の研究では、昨年度の成果として得られた新規有望化合物MOH、DOKについて、生体内動態を中心に検討した。 これら誘導体を^<125>I標識後、正常マウス及び担癌マウスでの生体内動態を調べた。その結果、新規誘導体の体内動態はリード化合物[^<125>I]σBONと比較して大幅に変化し、肝臓では[^<125>I]MOH、DOKの集積量が顕著に減少した。さらに、標的組織である癌への[^<125>I]MOH、DOKの集積性は[^<125>I]σBONと同等であった。従って、MOH、DOKは、癌集積性を変化させることなく非標的組織への集積性を改善するという所期の目的を達成することができた。 MOHについてさらに詳しく検討した結果、[^<125>I]MOHは様々な癌での診断の可能性が認められた。さらに、その集積は癌の増殖能を反映したことから、[^<125>I]MOHは癌悪性度診断の可能性が示された。また、[^<125>I]MOHを用いて比較的良好なオートラジオグラム画像を得ることができた。以上のように、適切な置換基を選択することにより、結合親和性及び組織集積性を制御することができ、新たな放射性薬剤の開発が可能であることを示した。
|
Research Products
(2 results)