2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591299
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
谷川 昇 関西医科大学, 医学部, 講師 (90227215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 敏 関西医科大学, 医学部, 教授 (80121937)
庄村 裕三 関西医科大学, 医学部, 助手 (70298868)
狩谷 秀治 関西医科大学, 医学部, 助手 (40368220)
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Keywords | 血管塞栓術 / PVA / 非生物 |
Research Abstract |
水溶性polyvinyl alcohol(PVA)の一時的血管塞栓剤としての特性の評価を行うために以下の実験を行った。すなわち、重合度、鹸化度等の物性を変化させて溶解特性の異なるPVAを作成し、これらのPVAを一時的塞栓物質として使用し、実験動物を行い生体内での塞栓および溶解挙動を評価した。 作成したPVAは球状粒子で重合度は300、粒子径分布は151〜200μmに調製した。粒子の溶解性は鹸化度を変化させることにより調整し、複数のPVA粒子を作成した。これらのPVA粒子を造影剤、新鮮凍結血漿に溶解させ、その溶解度から予測される血管塞栓時間により短時間(数時間以内)、長時間(数日以上)に大別した。次いで、造影剤(イオパミロン300)に溶解したPVA20%溶液を用いてブタ腎動脈を塞栓し、経時的に腎動脈造影を行い造影所見の経時変化を観察した。その後、腎臓を摘出し、病理所見から生体内での塞栓状況を比較検討した。 結果は、血管造影上、短時間型、長時間型のいずれのPVA粒子でも腎動脈の良好な塞栓が確認された。塞栓後の経時的血管造影所見では粒子の鹸化度と画像上の再疎通時間に相関が認められた。病理所見では短時間型ではPVAを注入した血管内にPVAがゲル状に存在しており、長時間型では血管内にPVAが粒子状の形状で存在する傾向が認められた。 以上より、水溶性PVAは物性の変更により生体内での塞栓の形式や塞栓時間を調整することができ、一時的血管塞栓物質として応用可能な性質を有することが判明した。
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