2006 Fiscal Year Annual Research Report
MRAによる未破裂脳動脈瘤検出のためのコンピュータ支援画像診断に関する研究
Project/Area Number |
17591306
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Research Institution | University of Occupational & Environmental Health, Scool of Medicine |
Principal Investigator |
興梠 征典 産業医科大学, 医学部, 教授 (60195691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 隆敏 産業医科大学, 医学部, 講師 (40299631)
掛田 伸吾 産業医科大学, 医学部, 助手 (30352313)
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Keywords | 脳動脈流 / MRA / コンピュータ支援映像診断 / CAD / 読影実験 / ROC曲線 |
Research Abstract |
平成18年度は、頭部3D TOF MRAにおける脳動脈瘤検出CADシステムの有効性につき、診断精度と読影時間の双方を評価した。すなわちこのCADシステムでは、読影医師の見逃し防止と読影時間の短縮、読影医師間での診断精度の均等化などが期待される。そこで2回の読影実験を行い、本自動検出システムを使用した場合と使用しない場合で、検出能に有意差があるか否か、および読影負担が軽減するか否かを検討した。読影負担の軽減は読影時間の短縮で評価した。 脳動脈瘤を有す16例と正常例の34例の計50例を選び出し、読影医師16名(専門の神経放射線科医8名および経験の浅い放射線科医8名)で、independent testによる読影実験を行った。得られた読影結果は、ROC曲線により解析した。また、それぞれの読影者に対して各症例での読影時間を計測した。評価方法は連続確信度法を用いて、まず読影者はモニターに表示されたMRA画像のみで脳動脈瘤の診断確信度をライン上にマーキングし、続いてモニターの同一画面に本自動検出システムで得られた脳動脈瘤候補を示すシンボル表示を加え、それを参考にして再度マーキングを行った。結果、神経放射線科医においては、CADを用いることで診断精度(Az)が僅かに低下し(0.914 vs O.895)、読影時間はほとんど変化がなかった。一方経験の浅い放射線科医においては、CADを用いることでAzは統計学的有意に改善し(0.787 vs 0.911、p=0.022)、読影時間も有意に短縮した(72.3sec→39.8sec/症例、p<0.01)。今回用いたCADシステムは、経験の浅い放射線科医の診断精度を神経放射線科専門医とほぼ同等のレベルに向上させ、かつ読影時間を有意に短縮できることが明らかとなった。
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