フラットパネルディテクターにおける散乱X線除去用グリッドの適用研究

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17591308
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Kyoto College of Medical Technology
• Principal Investigator: 笠井 俊文 京都医療技術短期大学, 助教授 (70194701)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 向井 孝夫 京都医療技術短期大学, 教授 (40093322) ; 西谷 源展 京都医療技術短期大学, 教授 (30228184) ; 赤澤 博之 京都医療技術短期大学, 講師 (10369655)
• Keywords: 平面検出器 / 直接変換型FPD / 映像システム / デジタル画像 / 出力特性 / エネルギー特性 / 散乱線除去用グリッド / 医療画像

Research Abstract

1)一般撮影用直接変換型・間接変換型FPD(Flat Panel Detector)の画像特性
診断用X線装置の画像特性を把握することは重要である。研究では、島津社製直接変換型FPD(RADIOTEX Safire)とキャノン製間接変換型FPD(CXDI-40C)の画像特性ついて測定評価した。入出力特性は直接変換型は広い入出力特性を有した。また、解像度特性、お直接変換方FPDが高い値を示した。NEQ(雑音等価量子)とDQE(検出量子効率)はX線検出層の厚い間接型FPDが高い値を示した。ノイズ特性(WS)についてはNEQ、DQEの高い間接変換型FPD方式が高い値を示した。
2)一般撮影用直接間接型FPDの散乱線特性
直接変換型FPDシステム(島津社:RADIOTEX Safire)は蛍光体を用いておらず、そのX線エネルギー依存性は従来からの蛍光体を用いた間接変換方式とは異なる。特に低エネルギー領域の散乱X線に対する感度特性から、その除去に有効な散乱X線除去グリッドを選定し、被ばく線量低減および画質向上を目指す。
撮影管電圧を変化させて、被写体としてアクリル板を置いた場合の散乱線含有率および入出力特性から、低エネルギー散乱X線に対する感度評価を行い、散乱X線除去用グリッドを用いた場合におけるコントラストの改善能をCNR(contrast to noise ratio)とバーガーファントムを用いて評価した。
直接変換型FPDでは、比較的低エネルギーの散乱X線に対して高感度となる傾向があることが判明した。そのため、撮影条件の決定および散乱X線除去用グリッドの選定において考慮する必要がある。
これらの研究成果は、第49回近畿部会学術大会(京都)および日本放射線技術学会第62回総合学術大会(横浜)で報告した。