2006 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス抑制蛋白質Bc1-xLの分子イメージング法開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
17591309
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
高橋 和弘 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (20370257)
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Keywords | 生体分子 / 腫瘍 / 放射線 / 分子認識 / 標識合成 / アポトーシス / PET / 分子イメージング |
Research Abstract |
悪性度の高い腫瘍ではBcl-xLが多く発現してアポトーシスが抑制されていることが知られている。そこで、アポトーシスを抑制するタンパク質Bcl-xLに特異的に結合する低分子化合物BH3I-2'の構造類似体F-BH3I-2'の18F標識体(18FBH)の腫瘍組織への取り込みについて検討すべく動物実験を施行した。分裂速度の異なる2種類の腫瘍を大腿部に移植したヌードマウスに18FBH注射液を投与し、ポジトロンプラナーイメージング装置を用いたダイナミック測定を行った。また上記2群のヌードマウスに18FBH注射液を投与し、30分、60分で屠殺し臓器および腫瘍を取り出し重量と放射能を計測して各組織の放射能集積(%dose/g)を測定した。プラナーイメージング装置の画像からは視覚的に腫瘍への集積増加が認められた。ただし肝臓・腎臓の集積が非常に高く大腿部の腫瘍は見えたものの、腹部の腫瘍では画像化は難しいと考えられた。摘出した腫瘍組織では分裂速度の速いもので有意な集積の増加が認められ、本標識薬剤の腫瘍診断への有用性が示唆された。しかし取り込み量は血液レベルを下回っており、組織への移行性の高いPET用標識プローブの開発が求められる。今後は類似化合物の標識合成を視野に入れた検討を進める予定である。
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