2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規癌抗原ユビキチン結合酵素E21の機能解析と固形癌診断法の研究
Project/Area Number |
17591320
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
白鳥 享 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (80361434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 英昭 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20292691)
日和佐 隆樹 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (30260251)
落合 武徳 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (80114255)
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Keywords | 食道癌 / 腫瘍マーカー / UBE21 / SEREX法 |
Research Abstract |
【目的】食道癌関連抗原をSEREX法により同定し、その機能解析を行い、癌化のメカニズムを明らかにする。 【方法】食道癌細胞株T.TnよりcDNAライブラリーを作製し、食道扁平上皮癌患者血清を用いてSEREX法によるスクリーニングを施行した。得られた陽性クローンの遺伝子をras-NIH3T3細胞に導入し、その機能をDSPA法により解析した。薬剤感受性はMTT法を用いた。 【結果】SEREX法によるスクリーニングによりユビキチン結合酵素E21(ubiquitin-conjugating enzyme E21/UBE21)のvariant clone AKO93616(以下UBE21-v5)を得た。この遺伝子をras-NIH3T3細胞に導入し、約90種類の薬剤に対する感受性を調べたところ、エトポシド、ビンクリスチン、ミトキサントロン等の抗癌剤に対して感受性になった。一方、parthenolideやBAY-11のようなNF一κBインヒビターに対しては抵抗性になった。これらの結果をDSPA法により解析した結果、UBE21-v5導入細胞の薬剤感受性パターンはRPA2、Rho-GDI、FUS、TKT等の導入細胞と正の相関を示し、PTEN、RAN、C/EBPα、p53導入細胞と負の相関を示した。 【考察】DSPA法により;機能的連関があると示唆されたPTEN、RAN、C/EBPα、p53は他のUBE21バリアントが結合してSUMO化すると報告されていることから、UBE21-v5も他のバリアントに関連した作用を示すと考えられる。UBE21-v5導入細胞をDSPA解析した結果、PTENやAktとの機能的連関が示唆された。一方、MTT解析の結果ではPI 3-kinaseのインヒビターであるquercetinに対して抵抗性になっていた。これらのことからUBE21-v5はイノシトールリン脂質代謝に関わると予測された。UBE21-v5は癌抑制活性を持つC/EBPαやp53の導入細胞と逆相関していることから、これらの分子を抑制して発がんを促進すると推定される。
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