2005 Fiscal Year Annual Research Report
スタチンの血管病変に対する新しい展開-血管内膜肥厚抑制メカニズム-
Project/Area Number |
17591326
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 昌義 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (60329381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古森 公浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40225587)
山本 清人 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10298359)
貝渕 弘三 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00169377)
天野 睦紀 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90304170)
上遠野 由紀 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (30378088)
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Keywords | スタチン / 内膜肥厚抑制 / 自家静脈グラフト / Rho-kinase / eNOS |
Research Abstract |
スタチンは脂質低下作用以外にも様々な効果が知られているが、血管外科領域における晩期閉塞の原因である自家静脈グラフト内膜肥厚に対する効果はいまだ詳しく知られていない。そこでスタチンによる静脈グラフト内膜肥厚抑制効果を検討した。またスタチンがRho-kinase、eNOSに与える影響についても検討した。 方法:3kg程度の日本白色種ウサギ頸動脈に正常血流モデルと末梢run offが悪い異常血流モデルを作成した。作成前後における血流を測定し、自家静脈グラフトを移植、通常飼料投与群(Ctr群)とプラバスタチン投与群(Prv群)に分けた。4週後グラフトを摘出し、内膜肥厚の程度を比較した。また2週後のグラフトを用いてPCNA染色、TUNEL法を行い平滑筋の増殖・アポトーシスに与える影響を調べた。さらに、HUVEC、VSMCにプラバスタチン1μM、24時間投与しeNOS、Rho-kinaseに与える影響を検討した。 結果:異常血流モデルで有意に血流が低下し内膜肥厚が増強された。正常、異常血流モデルともにrv群において有意に内膜肥厚が抑制され、PCNA index低値、TUNEL index高値であった。HUVECにおいてRho-kinaseが抑制されたがVSMCにおいてはRho-kinaseは抑制されなかった。 考察:プラバスタチンによる静脈グラフト内膜肥厚抑制効果を認め、その機序として新生内膜における平滑筋細胞の増殖抑制、アポトーシス促進効果を認めた。さらに内皮細胞選択的Rho-kinase抑制効果が確認された。これらの結果からスタチン投与が血行再建術後静脈グラフト開存率の向上に寄与すると考えられた。
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Research Products
(6 results)