2006 Fiscal Year Annual Research Report
乳房再建のためのbFGF遺伝子導入脂肪前駆細胞を用いたヒト脂肪組織の再生
Project/Area Number |
17591330
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
稲本 俊 (財)田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 研究主幹 (10135577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 大典 京都大学, 医学研究科, 助手 (70324621)
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Keywords | 脂肪 / 前駆細胞 / bFGF / 組織再生 / 乳房再建 |
Research Abstract |
1)乳癌手術時に得られる脂肪組織より分離したstromal細胞をin vitroで増殖させ、各段階での成熟脂肪細胞への分化能を検討した。stromal細胞の増殖能はbFGF添加、非添加にかかわらず10継代を通じて維持された。bFGF添加群での増殖は大きく、4継代目で播種時の1000倍以上に達した。一方、bFGF添加群での成熟脂肪細胞への分化能は3継代目まで維持されたが、その後は徐々に低下した。これらの結果から、脂肪成熟細胞への分化能を低下させずに細胞数を増加させるためには、3継代が適当であると考えられた。 2)脂肪組織の提供を受けた患者の自己血清および腋窩リンパ節郭清後に貯留する浸出液を培地に加えてstromal細胞の増殖を検討した。自己血清はFCSよりstromal細胞の増殖を亢進し、腋窩の浸出液はFCSと同等の増殖促進効果を示し、in vitroの増殖にFCSの代わりの用いることが可能であることが明らかとなった。 3)in vivoの脂肪組織再生に与える脂肪前駆細胞数の効果を検討した。stromal細胞をbFGF添加培地で2継代して増殖させ、0、5×10^5、2×10^6、8×10^6cells各々を、徐放化したbFGFと共にcollagen discに滴下し、6週齢・雌のヌードマウス背部に移植した。埋め込み後12週で安楽死させ、標本はH-E染色、oil red o染色、anti-human vimentin染色を行い、再生脂肪組織およびヒト由来再生脂肪組織を評価した。2×10^6cellsを徐放化したbFGFと共に移植した標本では再生脂肪組織の割合が最も高かったが、ヒト由来再生脂肪組織は1%以下であり大半はマウス由来であった。8×10^6cellsを徐放化したbFGFと共に移植した標本では再生脂肪組織に占めるヒト由来の脂肪組織の割合は約15%と最大であった。
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