2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591337
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 助手 (00322248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 浩樹 山口大学, 医学部, 助教授 (60322244)
古谷 彰 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90346552)
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Keywords | 大動脈瘤 / JNK / 薬物治療 / 細胞外マトリックス / シグナル伝達 |
Research Abstract |
[研究の目的]腹部大動脈瘤罹患率は本邦においても増加傾向にある。手術あるいはステントグラフトのみに治療法が限られた現状では、破裂死亡数の大幅な減少は期待できないため、病態解明とより理想的な治療法開発が急務である。本研究では、研究期間内に以下の点を達成することを目標とする。 1.マウス動脈瘤モデルにおいて、JNK阻害治療を応用したより有効な瘤退縮治療法を開発する。 2.瘤退縮を促進する因子を臨床のサンプルから新規に同定する。 [平成17年度までのまとめ]塩化カルシウム刺激によるマウス動脈瘤モデルと高脂血症マウスへのアンジオテンシンII投与による動脈瘤モデルの両方で、瘤形成後からのJNK阻害剤投与により瘤径の縮小が確認された。 [平成18年度の結果] 1,マウス動脈瘤モデルの組織学的な検討により、JNK阻害治療後の瘤退縮の際、弾性線維を含む壁構築の回復を伴っていることが確認された。弾性線維及び膠原線維の生合成に必須であるリジン酸化酵素(LOX)がJNK阻害によって増加するという自らの知見に着目し、塩化カルシウム刺激マウス動脈瘤モデルに対しアデノウイルスベクターを用いたLOX遺伝子導入を行なった。その結果、LOX遺伝子導入は、マウス動脈瘤モデルの形成を有意に阻止した。さらにLOX導入による瘤抑制の機序として、単に膠原線維と弾性線維の生合成・修復を回復するのみならず、平滑筋細胞のケモカイン分泌並びに瘤壁の炎症細胞浸潤を抑制することが明らかになった。 2.臨床サンプルからの瘤退縮促進因子の同定は、サンプル収集中であり、今後継続して実施する計画である。
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Research Products
(5 results)