2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しいバクテリアルトランスロケーションのモニタリング法ならびに予防法の開発
Project/Area Number |
17591338
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
栗田 信浩 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (30335814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 章 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (90304047)
島田 光生 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10216070)
西岡 将規 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50398020)
宮本 英典 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10403742)
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Keywords | 感染症 / 外科 / ストレス / 免疫学 / バクテリアルトランスロケーション |
Research Abstract |
【目的】腸管粘膜integrityを検討してBacterial Translocation (BT)に対する臨床応用可能な新しいモニタリング法と予防法を開発する。 【方法】検討1:絶食モデルにおける検討(5日間の絶食にて腸間膜リンパ節に腸内細菌のBacteroides vulgatusの16S ribosomal DNAの存在をPCRで確認)short circuit amplifierを用いた直腸内電位測定、Ussing chamberを用いた上皮性Naチャンネル(ENaC)ブロッカーのamirolide投与による電気的変化、RT-PCRによるENaCの定量は昨年度に終了した。同じモデルでサイトカインの定量、門脈血中エンドトキシン、H-E染色による直腸の組織学的検査を行なった。検討2:大建中湯(DKT)のBT予防効果 絶食モデルラットにDKTを100、300、1000mg/kg/day投与し、腸間膜リンパ節の培養で菌を検出し、BT発症を検討した。RT-PCRによる腸管壁内サイトカイン発生、H-E染色による小腸絨毛の数と高さ、Tunnel染色によるapoptosisを検討してDKTのBT予防効果を確認した。 【結果】検討1:short circuit amplifier、 Ussing chamberによる測定の結果、BT発症時には電位、抵抗が低下し、電流は増加する傾向であった。BT発症時の電位・電流の変化はamirolide投与にて抑制され、直値壁内のENaCの同様に、IL-1,IL-6,IL-12が増加していた。門脈血中エンドトキシンは高値を示すものもあったが、上昇しない場合も多くみられた。組織学的検査ではBT発症時に好酸球の浸潤傾向が強かった。検討2:腸間膜リンパ節の培養の結果、DKTの用量依存的にBT予防効果を認めた。またIFN-γ,IL-6を有意に抑制し、小腸絨毛の数と高さが改善され、apoptosisも抑制された。 【結論】直腸壁内の電位、抵抗、ENaCの定量、サイトカインがBT発症の指標となり、DKTによる予防効果が確認された。
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