2005 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺未分化癌の脱分化に関わる遺伝子発現異常の研究
Project/Area Number |
17591341
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小野田 尚佳 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30295703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 哲郎 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50193280)
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Keywords | 甲状腺未分化癌 / 脱分化 / DNAメチル化 / 染色体不安定性 / 遺伝子不安定性 |
Research Abstract |
1)甲状腺未分化癌細胞株でのDNAメチル化の検討を行った。われわれの樹立したOCUT-1,OCUT-2に加え、国内の樹立株ACT-1,KTC-1,TTA-1を対象とし、P16遺伝子のプロモーターCpG islandのメチル化を検討した。OCUT-1,OCUT-2、ACT-1ではp16遺伝子のメチル化が明らかに認められ、KTC-1,TTA-1では、各々遺伝子挿入、欠失を疑わせる異常なサイズのバンドが検出された。これらはDNA配列をシークエンスにより確認する必要があり、来年度の課題としている。現在、脱メチル化剤により処理した細胞からの遺伝子を抽出し終えており、確認実験中である。今後他の遺伝子(hMLH1,DAP-kinase,THBS1,TIMP-3など)のメチル化の検討を予定しているが、特異的プライマーの作成、条件設定は終了している。 2)脱メチル化処理によって、各々の細胞株でのサイログロブリンmRNAの発現をRT-PCR法で検討することを目的として細胞株を脱メチル化処理した後、mRNAを抽出してcDNAを作成した。現在、サイログロブリンに特異的なプライマーを用いてmRNAの発現を検討している。さらに、甲状腺の分化に関わるTTF-1,-2,PAX8,Na/IポンプやTSH受容体のmRNAについても検討を予定し、特異的プライマーを作成し、条件設定は終了している。 3)培養液中に脱メチル化剤を添加した際の細胞増殖の変化をMTT法を用いた細胞のviabilityから検討した。同時に、形態の変化を観察し、脱メチル化剤添加による増殖抑制と細胞の星状の形態への変化が確認された。繰り返し実験による確認中である。 以上の他、現在OCUT-3の樹立と細胞学的性質の解析を行っている。また、OCUT-1のテロメア解析を共同研究により進めている。 研究補助の決定が10月末でありました関係で、研究の開始時期が遅くなりました。今年度の検討結果は予定のほぼ半分でありますが、準備、条件設定はほぼ終了しており、来年度中に結果を出すべく検討を続行中です。
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