2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591352
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
山田 修 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (30167712)
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Keywords | 癌細胞 / 自爆ベクター / テロメレース / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
テロメレース活性の高い癌細胞では、そのプロモーター活性も高いことが知られている。癌細胞が持つ自らの高いテロメレース・プロモーター活性により、癌細胞に自殺遺伝子を強発現させるベクターを作製した。自殺遺伝子としては単純ヘルペスウィルスチミジンキナーゼ(HSV-TK)組み換え遺伝子の他に、Galエピトープを発現させるα1-3ガラクトシルトランスフェラーゼ(α1-3GT)組み換え遺伝子を作製した。 α1-3GT発現ベクターの作製。 ヒトやサル以外の細胞表面には異種抗原としてαGal抗原が存在する。ヒトではこれを合成する糖転移酵素であるα1-3転移酵素(α1-3GT)が偽遺伝子となっており、αGalが発現していない。代わりにヒト血清中にはαGal抗原に対する自然抗体が存在し、その割合は全免疫グロブリンの1%を占める。異種移植では血液再潅流直後にαGal抗原とヒト血中の自然抗体が結合し、補体の活性化による細胞傷害と超急性拒絶反応が起こる。すなわち癌細胞特異的に超急性拒絶反応を誘導するようなベクターを作製。 (1)ウシα1-3GTcDNAのクローニングとCMVのプロモーターに連結したα1-3GTcDNAによるαGal抗原の発現については既に報告済みである。 (2)α1-3GTcDNAとテロメレースプロモーター遺伝子を連結させたベクターをクローンテック社のPEGFP1ベクターで作製。 (3)エレクトロポレーションないしカチオン脂質を使い、各種癌細胞株に遺伝子導入。 (4)G418を使い安定した遺伝子導入細胞の選択。 (5)遺伝子導入細胞をヒト血清を含む培地に移し替え、細胞傷害活性をPI/AnnexinV-FITCで染色してアポトーシス細胞の割合をフローサイトメーターで測定し、確実に自殺遺伝子が癌細胞中で作用することを確認。
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Research Products
(3 results)