2005 Fiscal Year Annual Research Report
外科手術における免疫反応の性差とDHEAの関連に関する研究
Project/Area Number |
17591356
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
松谷 毅 日本医科大学, 医学部, 助手 (50366712)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹島 耕二 日本医科大学, 医学部, 教授 (80158930)
|
Keywords | 性差医療 / 手術侵襲 / 生体反応制御 |
Research Abstract |
消化器外科手術では,術後のsystemic inflammatory response syndrome(SIRS)の程度が高度であるほど術後合併症の頻度は増加することが知られている.動物実験では,生体侵襲後の生理機能や免疫能に性差が認められると報告されている.臨床手術症例でも術後のSIRS・合併症の頻度や程度に性差があると仮定し,消化器外科手術を対象に,心肺循環・肝腎機能障害の程度,術後合併症の発生の有無などの臨床経過を記録する. 平成17年度は,これまでの動物実験の結果を論文にし"Shock"に投稿し掲載された.腹膜炎モデルを作製しdehydroepiandrosterone(DHEA)投与のよるTLRの発現を検討した.腹膜炎でTLRは発現が減弱するが,DHEAの投与でその発現が保持され生存率が改善するという結果であった. 臨床研究では,食道癌手術症例で性差の重要な因子である性ホルモンの末梢血中17□-estradiol, testosterone,5□-dehydrotestosterone, DHEAを経時的に測定した.術後合併症を併発する症例は,男性が女性より頻度として多く.術後のtestosterone/17□-estradiol比は,男性症例で合併症を併発する症例では術後低値を持続するのに対し,合併症を併発しない症例は有意に高値を示した.DHEAは術後の変動には差がなかった.この結果を,来年度中の外科関連の学会に報告する予定である. さらに来年度は,症例数・サンプル数を増やし,これら測定値の変動,生体反応と臨床経過に関連があるのか,さらに性差が免疫反応に影響を及ぼすのかを検討しその機序を解明する.
|
Research Products
(1 results)