2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝星細胞活性抑制による虚血再潅流時における類洞障害制御機構の確立
Project/Area Number |
17591367
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉岡 政人 秋田大学, 医学部, 医員 (40375275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 聡 秋田大学, 医学部, 講師 (40333934)
佐藤 勤 秋田大学, 医学部, 助教授 (90235367)
山本 雄造 秋田大学, 医学部, 教授 (70281730)
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Keywords | 肝星細胞 / 虚血再灌流障害 / 類洞細胞 / 活性抑制 |
Research Abstract |
心停止ドナーでは温虚血における肝細胞障害、保存・再灌流による類洞障害が複雑に関係しあっているが、有効な改善策はまだ確立されていない。類洞形成細胞にはクッパー細胞、類洞内皮細胞および星細胞(伊東細胞)があり、クッパー細胞に対しては細胞除去や不活化が行われているが、虚血再灌流障害の制御には至っていない。類洞内皮細胞に対しても接着因子の抑制が行われているが、充分な効果は得られていない。類洞を形成する第3の細胞として肝星細胞があるが、虚血再灌流における役割は今なお不明である。そこで我々はクッパー細胞の制御のみならず星細胞の活性化を同時に制御できれば肝微小循環内皮障害を軽減できると考え実験を開始した。今年度はまず虚血再灌流障害時における類洞星細胞の活性化の有無について検討した。SDラット雄を用い30分虚血、再灌流後2、6、24、48、72時間で肝細胞を摘出し、活性マーカーとしてのα-SMAを免疫組織染色した。灌流類洞内のα-SMA陽性細胞を検索したが、24時間以内では0-1/cm2であり、24時間以降ではわずかに増加を認めるものの、有意な増加しているとは言えず、肝虚血再灌流時における星細胞の活性化は確認できなかった。そこで活性の有無による影響ではなく、星細胞自身の存在意義を検討するため、星細胞のアポトーシス誘導薬による虚血再灌流障害への影響を観察した。その結果、薬剤投与後12〜24時間でトランスアミラーゼの有意な低下を認め、虚血再灌流障害軽減を認めた。来年度はこの結果をふまえ、星細胞アポトーシスと虚血再灌流障害軽減化の因果関係を解明するため、星細胞特異的な線維関連因子であるDesminやGFAPの変化をmRNAおよび蛋白レベルで検討する予定である。
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