2006 Fiscal Year Annual Research Report
肝星細胞活性抑制による虚血再潅流時における類洞障害制御機構の確立
Project/Area Number |
17591367
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉岡 政人 秋田大学, 医学部, 助手 (40375275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 聡 秋田大学, 医学部, 講師 (40333934)
佐藤 勤 秋田大学, 医学部, 助教授 (90235367)
山本 雄造 秋田大学, 医学部, 教授 (70281730)
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Keywords | 肝星細胞 / 虚血再灌流障害 / 微小循環 / 類洞径 / クッパー細胞 |
Research Abstract |
肝虚血再灌流障害におけるクッパー細胞、内皮細胞の役割はよく研究されているが、肝星細胞についてはほとんど研究されていない。肝星細胞の役割を解明することで虚血再灌流障害の軽減化へつながるのではないかと考え本研究をおこなった。虚血再灌流時における星細胞の活性化を確認するためα-SMA陽性細胞数を測定したが有意な増加を認めなかった。そこで活性化を抑えるのではなくアポトーシスを誘導することによって星細胞数を減少させ、その上で星細胞の役割について検討した。アポトーシスの誘導はGliotoxinを用いた。雄性SDラットに対しGliotoxin 3mg/kg・BW量を腹腔内投与し、48時間後の星細胞数の変化および類洞径の変化を検討した。星細胞数の変化はGFAP陽性細胞の組織全体に対する面積比として算出した。Control群2.50±0.19%に対しGliotoxin群1.91±0.46%と有意に細胞数の減少を認めた。生体顕微鏡を用いた肝類洞径の測定の結果、zone1,2ではそれぞれ、Control群7.88±0.35μm,7.76±0.70μmに対しGliotoxin群7.71±0.19μm,8.62±0.44μmと有意差を認めなかったが、zone3においてはControl群8.21±0.50μmに対しGliotoxin群10.25±0.35μmと有意に類洞径が拡大していた。次に肝類洞のperfusion rateを測定した。虚血再灌流前後で比較した結果、Control群では100%から79.8±6.1%と低下していたが、Gliotoxin群では99.9±0.2%から98.8±0.7%と、虚血再灌流後のperfusion rate低下を認めなかった。虚血再灌流後6時間における血清AST, ALT値はControl群で512±151,346±128に対しGliotoxin群では291±141,116±49と有意に肝障害が軽減された。これらの結果からGliotoxinによって肝星細胞数が減少し類洞径が拡張した結果、肝微小循環が保たれ虚血再灌流障害の抑制につながったのではないかと考えられた。
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