2006 Fiscal Year Annual Research Report
CDNAマイクロアレイによる臓器不全の早期診断と抗TLR抗体による治療効果の検討
Project/Area Number |
17591374
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木村 文夫 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (70334208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70166156)
吉留 博之 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (10312935)
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (90334185)
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Keywords | 臓器不全 / 術後感染症 / cDNAマイクロアレイ / 抗TLR抗体 / GATA3 / T-bet / sCD30 |
Research Abstract |
[臨床的検討] 肝切除症例の検討 cDNAマイクロアレイ及びRT-PCRによる検討では、GATA3(Th2 regulatory gene)の発現が、末梢血中のsCD30(Th2液性マーカー)と同様に、術前から術後1週間まで感染合併例、臓器不全合併例で高発現を示した。逆に、T-bet(Th1 regulatory gene)は術後3日から2週にかけて感染合併例、臓器不全合併例で高発現を示した。GATA3およびT-betの遺伝子発現は、周術期の病態においてreciprocalな関係にあり、特にGATA3の術前からの高発現は術後感染症・臓器不全の早期診断を可能にする極めて重要な遺伝子と考えられた。TLR2およびTLR4も術後3日から感染合併例、臓器不全合併例で高発現を示したが、早期診断のマーカーとしてはGATA3が最も有力な因子と考えられた。 [基礎的検討] (1)CLP ModelとOBJ Modelを用いた臓器障害発症メカニズムの検討 (2)抗TLR2および抗TLR4モノクローナル抗体を用いた治療効果の検討 CLP mouse Model(盲腸の結紮穿刺により腹膜炎を起こし、肝障害および腎障害を誘導する)およびOBJ mouse Model(胆管結紮により閉塞性黄疸を起こし、Endotoxin投与により肝障害、肺障害を誘導する)の検討では、両モデルにおいて対照に比較して、有意にpro-inflammatory cytokinesおよびchemokines産生能の上昇が認められた。しかし、各臓器におけるcytokines及びchemokinesの発現分布に差があり、一定の傾向が認められなかった。また、抗TLR2および抗TLR4モノクローナル抗体による治療効果の検討では、明らかの効果は認められなかった。
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