2006 Fiscal Year Annual Research Report
Tailored dose化学療法の確立とその基礎的研究
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17591382
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高橋 豊 金沢大学, がん研究所, 助教授 (10179541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
源 利成 金沢大学, がん研究所, 教授 (50239323)
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Keywords | tailored dose化学療法 / SNP / CPT-11 / UGT1A1 |
Research Abstract |
我々は、現在の最大耐用量に基づく投与量設定法において、tumor dormancy therapyの概念および遺伝子薬理学知見から、継続性と個別化の2点を改善した、individualized maximum repeatable dose (iMRD:個別化最大継続可能量)法を開発した。このiMRD法による臨床試験を複数の癌で企画、推進してきた。iMRD法は、換言すればtailored doseであり、その目的は従来の「一定量」から「一定の血中濃度」にすることである。昨年度は、胃癌に対するweekly paclitaxelのiMRDとスターティングドーズでの血中濃度、AUC (Area under the curve))との相関性を明らかにした。 本年度は、胃癌に対するCPT-11のiMRDと、CPT-11の代謝酵素の一つであるUGTIA1のSNPであるUGTIA1^*28との関係を検討した。まずCPT-11のiMRDは、推奨用量が125mg/m^2とされているが、我々の検討から、25mg/m^2まで下降する症例も少なからず存在し、個人差は5倍あることが判明した。その結果、iMRDが100mg/m^2以上の5例にはSNPの存在を認めなかったが、iMRDが50mg/m2以下の5例中2例にUGTIA1^*28のヘテロが存在する事が判明した。 以上より、我々の開発したiMRD法は、代謝酵素のSNPからも妥当性が確認されると同時に、5例中2例でしか説明できなかったことから、一代謝酵素のSNPで、iMRDひいてはtailored dose化学療法に応用することは難しいことが示唆された。今後は、複数の代謝酵素あるいはそのSNPを組み合わせて検討すべきと思われる。また一方で、tailored dose化学療法においては、iMRD法が簡便かつ論理的であることも示されたものと思われる。
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[Journal Article] Role of CXCL12/CXCR4 axis in Peritoneal Carcinomatosis of Gastric Cancer.2006
Author(s)
Yasumoto K, Koizumi K, Kawashima A, Saitoh Y, Arita Y, Shinohara K, minami T, Nakayama T, Sakura H, Takahashi Y, Yoshie O, Saiki I
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Journal Title
Cancer Research 66
Pages: 276-280
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