2005 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌腹膜転移における診断法の開発とアンギオテンシン系を介した線維化機構とその制御
Project/Area Number |
17591383
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伏田 幸夫 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (10301194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 真市 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (90272955)
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Keywords | 血清IV型コラーゲン / 腹膜転移 / 腹膜繊維化 / アンギオテンシンI型受容体 |
Research Abstract |
(1)臨床例における腹膜転移(再発)の早期診断 腹膜播種が確定している症例において血清IV型コラーゲン値は全例高値であったが、腹膜再発や再燃の過程において画像診断や臨床症状、既存の血清腫瘍マーカーと比較し、早期診断に有用かどうかを検討中である。現在、腹膜転移を有する13症例を追跡しているが、いずれの症例においても症状の進行とともに血清IV型コラーゲン値は上昇している。また、画像診断や臨床症状、腫瘍マーカーの上昇が明確でない腹膜再発高危険症群のなかに血清IV型コラーゲン値の上昇してきた症例が5例存在しており、今後の腹膜再発の確定診断が待たれる。 (2)ヒト胃癌細胞株による検討 ヌードマウスに高度腹膜転移株OCUM-2MD3を1x107個腹腔内投与し、約4週間で腹膜播種が形成されることを確認した。以前から報告されている腹膜播種細胞株MKN45-Pには繊維化は乏しく、臨床とやや異なる像を呈していたが、この腹膜播種の形態は、癌性腹水の貯留のみならず高度の播種を形成し腹膜の繊維化も伴っていた。また、OCUM-2MD3培養上清腹腔内投与群においては、腹膜の肥厚線維化が不確実であり、モデル作成法を検討しなおしているところである。 高度腹膜転移株であるOCUM-2MD3を1x10^7個ヌードマウス腹腔内投与し、腹膜転移が100%形成される4週間後からATlR拮抗剤であるcandesartan(CA:ブロプレス)を10mg/kg連日経口ゾンデで強制投与したが、コントロール群と生存日数に差を認めなかった。現在投与開始時期をモデル作成2週間後として検討中である。
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