2006 Fiscal Year Annual Research Report
扁平上皮におけるStemCellFactorの同定と癌の診断・治療への応用
Project/Area Number |
17591391
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野本 周嗣 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (40300967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 聖彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (10378094)
中尾 昭公 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70167542)
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Keywords | 扁平上皮癌 / Stem Cell Factor / Sox-2遺伝子 / 発現 / mRNA / 蛋白 / プロモーター / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
I:扁平上皮(扁平上皮癌)におけるStem Cell FactorのTarget gene(Oncogenicな遺伝子)の検索と同定:Sox-2発現ベクターを作成し、これを培養液中のテトラサイクリン含有の有無で発現を制御できるベクターに再編の後、腎胎生組織の細胞である293細胞に導入し、テトラサイクリン発現誘導系を作成した。Sox-2発現時と非発現時のRNAをaffimetrix社のmicro-array chipを用いて細胞中の発現遺伝子を比較し、Sox-2遺伝子により発現誘導や発現抑制される遺伝子群のprofileを得た。これらのprofileの中から扁平上皮癌の性質を規定することが予想される癌遣伝子2つと癌抑制遺伝子2つに注目し、発現の強弱につき確認した。いずれも、Sox-2遺伝子発現の有無により、発現の変化を認めた。 II: Sox-2遺伝子(Stem Cell Factor)の発現を制御する遺伝子の検索: Sox-2遺伝子は染色体3q26-27にあるが、そのプロモーター領域約500bpをPCRにてクローニングした。このfragmentはプロモーター解析ベクターのpGL3にサブクローニングした。 III:扁平上皮癌におけるStem Cell FactorとしてのSox-2遺伝子の臨床応用:Sox-2遺伝子は、正常組織の扁平上皮基底層で強い発現がみられ、癌化した場合はさらに強い発現となる。実際に食道癌患者の周術期血清を用いてSox-2mRNAを定量検出することにより、扁平上皮癌の腫瘍マーカーになり得る可能性につき検討した。食道癌患者の周術期血清を8例につき採取したところ、2例中5例で術前にRT-PCRで認められたSox-2mRNAは術後14日目では認められなくなり、血清マーカーとしての応用が示唆された。
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