2005 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌の進展機構の解析と治療(胆汁逆流による癌細胞内COX-2活性機構の解析)
Project/Area Number |
17591392
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加賀野井 純一 京都大学, 医学研究科, 助手 (60378619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 剛 京都大学, 医学研究科, 助手 (50293866)
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
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Keywords | 食道癌 / 癌進展機構 / 食道内胆汁逆流現象 / COX-2 |
Research Abstract |
(A)食道癌への胆汁酸曝露による癌進展の証明のための実験 方法:食道扁平上皮癌細胞株(KYSE細胞)のうちvitroでの実験結果からKYSE-170細胞を選出し、BALB-cヌードマウスの背部に皮下移植した。胆汁酸の主成分であるCDCAの腹腔内への反復投与を施行した。 結果:ヌードマウスを犠死せしめ、腫瘍を核出した。CDCA投与群が非投与群に比して有意に腫瘍体積の増大が認められた。免疫組織学検討でもCDCA投与群では非投与群に比して細胞内COX-2の発現増強および腫瘍近傍間質のVEGFの発現増強および微小血管密度の上昇が認められた。 (B)vitro実験でのCDCA刺激による転写活性機構の証明のための実験-1 方法:上記の細胞株を用いてCDCA刺激によるシグナル伝達経路の活性化をWesternBlot法およびELISA法にて調べた。 結果:KYSE-170細胞にEGFを添加するとEGF受容体(EGFR)、MAPKがリン酸化されることを確認した。EGFRの抑制剤であるAG1478はEGFRの活性化を抑制し、その下流シグナルのMAPKのリン酸化も抑制した。またMAPKのリン酸化はその抑制剤であるPD98059によっても抑制された。CDCA刺激によりKYSE-170細胞ではEGFRのリン酸化、MAPKのリン酸化、COX-2活性上昇、VEGFの発現増強が認められたが、AG1478およびPD98059を添加したところEGFRおよびMAPKのリン酸化を抑制した。更にCOX-2活性化の低下およびVEGF発現低下が認められた。 (C)vitro実験でのCDCA刺激による転写活性機構の証明のための実験-2 方法:KYSE細胞からmRNAを抽出しFXRmRNAをRT-PCR法にて増幅し発現確認をした。 結果:KYSE細胞の全30株でFXRmRNAの発現は認められなかった。
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