2007 Fiscal Year Annual Research Report
血中に存在する微量な癌細胞が担癌生体におよぼす影響
Project/Area Number |
17591399
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
池口 正英 Tottori University, 医学部, 教授 (20193188)
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Keywords | 癌 / 血液中癌細胞 / 免疫学的感作 / 微小転移 / 再発 / CEA mRNA / リアルタイムPT-PCR / 手術操作 |
Research Abstract |
胃癌の再発は、手術時に残存している微量な癌細胞が年余を経て増大してくる結果と考えられる。手術時に主癌巣から血液中に放出される癌細胞は、速やかに血液申の白血球やマクロファージにより貪食されると考えられ、この時に、癌細胞の情報(膜抗原など)が免疫担当細胞へ伝達される。 以前の臨床結果より以下のことを推察し、実験を実行した。 推論:手術時に遺残した微量癌組織は、感作された免疫担当細胞により排除されるのではないか。 よって、以下の実験を行い、血中に存在する癌細胞と担癌生体の免疫応答を研究した。 マウスを用いた実験:動物実験施設において,マウス(C57BL/6)の皮下に腫瘍細胞(B16OVA:メラノーマ)を接種し、3日後にマウス尾静脈へ微量な腫瘍細胞を注入する実験を行った。3群(1.B16OVA2x105皮下接種群、2.B16OVA2x105皮下接種群+3日後生食0.1ml静注群、3.B16OVA2x105皮下接種群+3日後B16OVA 1x103静注群)を設定し、各群5匹で検討した。皮下腫瘍の増大速度は2群が最も速やかで、以下1群、3群の順であった。生存曲線も2群が最も不良であり、以下1群、3群の順であった。しかし、3群とも腫瘍の皮下接種後45日で全てのマウスは死亡し、有意の差は得られなかった。腫瘍の皮下接種後30日に脾臓を摘出し、脾臓内のCD8+T cellの密度をフローサイトメトリーにて確認したが、3群間に有意の差を認めなかった。 結論:血中に存在する微量な癌細胞で、担癌生体の免疫能が感作されることは困難であると結論できた。
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Research Products
(4 results)