2006 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌における各種分子標的の発現と分子標的治療物質に対する感受性に関する研究
Project/Area Number |
17591400
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
栂 とも子 島根大学, 医学部, 技術専門職員 (20403462)
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Keywords | 膵癌 / 分子標的療法 / 抗癌剤感受性試験 / 癌化学療法 / 細胞増殖指標 / 顕微鏡画像解析 |
Research Abstract |
5-FUの代謝に関係するpyrimidine代謝酵素TP、DPD、OPRTについて、免疫染色で膵癌99例における蛋白発現を検討した。OPRT活性と臨床病期と予後を、特にuracil and tegafur(UFT),syclophosphamide(CPA)and/or gemcitabine(GEM)を用いた補助化学療法効果との関連について解析を行ない、以下の結果が得られた。OPRTは99例の膵癌中54例(54.5%)で陽性であった。OPRT(+)群膵癌の術後生存率はOPRT(-)より有意に高かった。OPRT(+)膵癌においてUFT, CPA, GEMを用いた補助化学療法(+)の生存率は(-)群より有意に高かった。しかしながら、OPRT(-)膵癌においては補助化学療法の有無別の生存率に有意差はなかった(Nio Y, Toga T他、Oncology Reports 2007印刷中)。 またDNA合成関連酵素thymidylate synthase(TS)を膵癌11例で免疫染色、mRNA定量、ELISAで測定解析を行い、TSの免疫染色における陽性核数とmRNAの測定結果が相関すること、また細胞増殖指標MIB-1とTSの免疫染色での発現が相関することが判明した。現在、腫瘍増殖とTS発現について癌抑制遺伝子p53、Smad4、アポトーシス阻害遺伝子BCL-2の膵癌99例の顕微鏡画像解析データを併せて検討中である。 上記のMIB-1、TSなど核内抗原の免疫染色顕微鏡画像解析には設備備品として購入したデジタルカメラと画像解析ソフトImage-Pro Plusを使用した。その画像解析手順についてはマクロ化を行い簡便化を図った。それに関して、本学で発明審査を受け職務発明とされた。 MIB-1の画像解析と免疫染色プロトコールについては、第29回生理学技術研究会(H19年2月岡崎市)で発表を行なった。 またSmad4遺伝子の膵癌における変異とnonsense-mediated mRNA decayについて名古屋大学総合技術研究会(H19年3月)で発表を行なった。
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