2006 Fiscal Year Annual Research Report
mRNA定量解析によるIPMN内細胞異型度に対応した遺伝子変化の解明
Project/Area Number |
17591412
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
永井 英司 九州大学, 大学病院, 助手 (30264021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 雅夫 九州大学, 大学院医学研究院, 教授 (30163570)
水元 一博 九州大学, 大学病院, 講師 (90253418)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 臨床 |
Research Abstract |
膵腫瘍の中でIntraductal papillary mucinous neoplasm (IPMN)は比較的予後の良いカテゴリーに入るが、一旦浸潤癌となれば通常型膵癌と同様にその予後は極めて不良である。これまでに腫瘍径、壁在結節の大きさ、細胞診などを手がかりに手術適応の決定が試みられてきたが、充分な成果が得られていないのが現状である。 最近申請者らは膵液中のmRNAを定量解析することで癌関連遺伝子を正確かつ迅速に同定することに成功し、以下の研究が行える環境が整ってきた。本研究の目的は(1)外科切除材料を用いてIPMN内の早期癌病巣の存在診断に有用な癌関連遺伝子を同定し、その後に(2)膵液から癌細胞のみを抽出し(1)で同定した癌関連遺伝子が有意に上昇しているかを検討することで臨床的にIPMN内に癌病巣が存在するかどうか確認できる診断法を確立することである。 今回の検討でMUC1,MUC4,MUC5AC, MUC6,S100family (S100P、 S100A11),Sonic hedgehog (SHH)に関する結果を得ることができた。外科切除標本からMicrodissectionによって得た材料の検討では膵管上皮細胞がPanINから癌へと進むにつれMUC1,MUC5ACはup regurateされ、SHH、 S100P、 S100A11はIPMNにおける上皮では慢性炎症に伴う上皮や正常膵上皮に比較して有意に過剰発現し、癌においてはその発現量がIPMNと慢性炎症・正常膵の中間という結果であった。 術前に採取した膵液を用いた検討でも同様の結果であり、膵液の検討結果は膵切除病変を充分に反映するものであった。 以上の結果からMUC1,MUC4,MUC5AC, MUC6,S100P、 S100A11,SHHを検討することで術前、臨床的にIPMN内に癌病巣が存在するかどうか予想できる可能性が高いと言える。
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Research Products
(4 results)