2005 Fiscal Year Annual Research Report
肝予備能把握法の確立と肝切除後残存肝機能の分子生物学的解析
Project/Area Number |
17591417
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
千々岩 一男 宮崎大学, 医学部, 教授 (90179945)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 真弘 宮崎大学, 医学部, 講師 (40264379)
日高 秀樹 宮崎大学, 医学部, 助手 (90398264)
前原 直樹 宮崎大学, 医学部, 助手 (30381065)
自見 政一郎 宮崎大学, 医学部, 助手 (90363598)
大内田 次郎 宮崎大学, 医学部, 助手 (10363590)
|
Keywords | 閉塞性黄疽 / 大量肝切除 / 肝不全 / トランスポーター |
Research Abstract |
進行胆嚢癌や肝門部胆管癌では拡大肝切除を行うことがあるが,残存肝予備能の限界に近い大量肝切除は正常肝でも術後の肝不全の誘因となりうる.特に閉塞性黄疸や肝機能障害を有する病態肝の場合はさらに術後肝不全の発生率が高く,術前の正確な残存肝予備能の把握と術後肝不全の早期予知およびその防止は臨床上きわめて重要な課題である. 現在,大量90%肝切除術後や閉塞性黄疸における肝切除術後の有機アニオントランスポーター(取り込み系のntcp,oatp,排泄系のBsep,Mrp2,Mrp3など)の発現の変化とビリルビンおよび胆汁酸代謝との関係についてラットで解析し,一部は原著論文(J Surg Res. In Press)として発表し,また以下のような結果を主要な学会(第105回日本外科学会,第60回日本消化器外科学会)で発表して現在論文作成中である. 1)90%肝切除術後48時間の生存率は50%,70%肝切除群は100%であった.90%肝切除群では70%肝切除群に比べて術後早期(6時間)に胆汁流量および胆汁中胆汁酸排泄の有意な低下がみられた(J Surg Res. In Press).また90%肝切除群ではBsepとMrp3の有意な発現亢進とMrp2発現低下を認めたのに対し,70%肝切除群ではBsepとMrp3の発現低下とMrp2の発現亢進を認めた.現在これらについて蛋白発現を解析中である. 2)閉塞性黄疸ラットモデルでは,胆管閉塞によりMrp2,Bsep,oatpおよびntcpの発現低下とMrp3の発現亢進が認められた.1週間の閉塞性黄疸後胆汁外瘻あるいは内瘻により減黄すると,発現が低下していたMrp2は亢進し,発現が亢進していたMrp3は低下した.胆汁外瘻と内瘻を比較すると内瘻の方が有意にMrp2とMrp3の発現が正常に復した.
|
Research Products
(1 results)