2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝予備能把握法の確立と肝切除後肝機能の分子生物学的解析
Project/Area Number |
17591417
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
千々岩 一男 University of Miyazaki, 医学部, 教授 (90179945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 真弘 宮崎大学, 医学部, 講師 (40264379)
日高 秀樹 宮崎大学, 医学部, 助教 (90398264)
前原 直樹 宮崎大学, 医学部, 助教 (30381065)
大内田 次郎 宮崎大学, 医学部, 助教 (10363590)
大谷 和広 宮崎大学, 医学部, 助教 (60437936)
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Keywords | 閉塞性黄疸 / 大量肝切除 / 肝不全 / トランスポーター / 門脈塞栓 |
Research Abstract |
進行胆嚢癌や肝門部胆管癌では拡大肝切除を行うことがあるが,残存肝予備能の限界に近い大量肝切除は正常肝でも術後の肝不全の誘因となりうる.特に閉塞性黄疸や肝機能障害を有する病態肝の場合はさらに術後肝不全の発生率が高く,術前の正確な残存肝予備能の把握と術後肝不全の早期予知およびその防止は臨床上きわめて重要な課題である. 今回の科学研究費で大量90%肝切除術後や閉塞性黄疸における胆汁酸内瘻と外瘻による減黄法の違いによる有機アニオントランスポーター(取り込み系のntcp,oatp,排泄系のBsep,Mrp2,Mrp3など)の発現の変化とビリルビンおよび胆汁酸代謝との関係についてラットで解析し,一部は原著論文(J Surg Res.134:81-86,2006)として発表し,また以下のような結果を主要な学会(第105回日本外科学会,第60回日本消化器外科学会・シンポジウム)で発表して現在論文作成中である.また,臨床研究の論文も裏面のように作成してきた. 1)90%肝切除術後48時間の生存率は50%,70%肝切除群は100%であった.90%肝切除群では70%肝切除群に比べて術後早期(6時間)に胆汁流量および胆汁中胆汁酸排泄の有意な低下がみられた.また,90%肝切除では一次胆汁酸であるCA,CDCAの胆汁酸排泄が術後6時間で有意に減少していた.これらの結果を2006年に論文として発表した(J Surg Res.134:81-86,2006).またトランスポーターの測定では,90%肝切除群ではBsepとMrp3の有意な発現亢進とMrp2発現低下を認めたのに対し,70%肝切除群ではBsepとMrp3の発現低下とMrp2の発現亢進を認めた.これらの結果は第60回日本消化器外科学会のシンポジウムで発表し,現在論文を投稿中である. 2)閉塞性黄疸ラットモデルでは,胆管閉塞によりMrp2,Bsep,oatpおよびntcpの発現低下とMrp3の発現亢進が認められた.1週間の閉塞性黄疸後胆汁外瘻あるいは内瘻により減黄すると,発現が低下していたMrp2は亢進し,発現が亢進していたMrp3は低下した.胆汁外瘻と内瘻を比較すると内瘻の方が有意にMrp2とMrp3の発現が正常に復した.これらの結果は減黄の必要性と減黄する方法として胆汁内瘻の方が優れていることが示唆され、2005年の第105回日本外科学会学術集会と2006年の第106回日本外科学会学術集会で発表し,論文作成中である.
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Research Products
(5 results)