2005 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌腹膜播種に対する腫瘍細胞と腫瘍ストローマを標的とした分子生物治療の開発
Project/Area Number |
17591433
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中森 幹人 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (10322372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70244738)
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Keywords | ウイルス療法 / ヘルペスウイルス / 胃癌 / 腹膜播種 |
Research Abstract |
I:Two membrane-fusion mechanismを有するoncolyitc HSV (Synco-2D)のヒト胃癌に対する治療効果 研究代表者が開発したGALV.fusによるsyncytial formationを有するSynco-2Dのヒト胃癌細胞での効果を検討した結果,ヒト胃癌に対する増殖抑制効果を確認できた. II:GALV.fusに対する感受性や安全性についての検討 GALV.fusのreceptorであるPit-1,Pit-2は恒常的にヒト細胞において発現されていると報告されており,今後の臨床応用を考えた場合,正常細胞に対する毒性や腫瘍細胞でのPit-1,Pit-2の発現量により治療効果の差がある可能性がうる.ヒト消化器癌細胞や新鮮分離腫瘍細胞でのPit-1,Pit-2の発現量とSynco-2Dの感受性や治療効果の違いを検討したが,ヒト胃癌細胞株ではPit-1,Pit-2の発現には大きな差がないことがほぼ判明した.現在,ヒト胃癌新鮮分離腫瘍細胞でも同様の結果が得られるかを検討中である. III:Grug Delivery System (DDS)への応用 oncolytic HSVを用いたウイルス治療は動物実験レベルではanti-HSV immunityの前存在下でも,ウイルスの治療効果は減弱しないと報告されているが,実際のヒトでの臨床応用では治療効果の減弱が生じる可能性がある.そこで,ウイルスの直接投与ではanti-HSV immunityを回避して腫瘍局所にウイルスが到着する前に免疫系に排除されてしまうことを想定し,oncolytic HSVそのその,もしくはoncolytic HSV-DNAをliposomeやPEG (polythylene-glycole)などのbiomaterialにconjugationすることで,DDSを用いた改変型ウイルス療法の基礎的研究を行った.現時点ではliposomeはある程度のDDSとしての効果があることが判明したが,PEGについては我々の予想よりはDDSとしての優位性は証明出来ない.現在,他のbiomaterialでの検証を進めている. 総評: 本年度は予定研究内容をほぼ達成出来たが,oncolytic HSVに新規遺伝子を搭載した新たな戦略を次年度研究項目に組み入れる必要性がある.
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Research Products
(4 results)