2005 Fiscal Year Annual Research Report
直腸癌に対する手術前化学放射線治療の至適投与法と臨床例での検証
Project/Area Number |
17591439
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
貞廣 荘太郎 東海大学, 医学部, 助教授 (40138029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 千恵子 東海大学, 医学部, 講師 (50307295)
鈴木 俊之 東海大学, 医学部, 講師 (80276823)
石川 健二 東海大学, 医学部, 助手 (80287078)
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Keywords | 直腸癌 / 放射線治療 / 化学放射線治療 / 増感剤 |
Research Abstract |
(1)核酸代謝酵素mRNA発現の検討 5-FU系抗癌剤の効果と副作用に密接に関連している核酸関連酵素(TS, DPD, OPRT, TP)の各mRNAの発現を,治療開始前および化学放射線治療開始1週間後の生検標本,および手術標本のパラフィン包埋標本からレーザー光を用いて腫瘍組織を選択的に切り出して測定した.その結果放射線照射にUFTを併用した22例では,TS, DPD, OPRT, TPのmRNA発現には有意の変動は認められなかったが,UFT+CPT-11を併用した23例では,治療開始前に比し治療開始1週間後にはTS, DPD, OPRT, TPのmRNA発現はいずれも有意に増加し,化学放射線治療後2週間後の手術時にはいずれも低下した. (2)免疫組織化学での検討 術前に放射線のみで治療した場合には,P53染色陰性,P21染色陽性,apoptosis陽性例で腫瘍縮小率が有意に高率で,これらは高感受性因子と考えられた.UFTを用いた放射線化学療法ではapoptosis陽性が,UFT+CPT-11を併用した放射線化学療法ではapoptosis陽性に加えてP21染色陽性が高感受性因子であり,併用する化学療法レジメンにより差が認められた. (3)併用する5-FU系抗癌剤の投与方法に関する実験的検討 ヌードマウス下肢に移植されたヒト結腸癌細胞株KM20CにTS-1(FTとして8mg/kg)を14日間連日経口投与した。さらに実験1日目のS-1投与45分後に5Gyを腫瘍局所に照射した。5-FUの抗腫瘍効果発現に関する酵素(TP, DPD, UP, OPRT, TS, TK, RNR)を経時的に測定し、TSについてはTS inhibition rate(TSIR)を算出した。治療期間中に大きな活性変動が観察された5-FU代謝酵素は、TPであった。TPの酵素活性は照射後徐々に上昇し実験10日目に最高値を示した。DPDおよびTKは治療期間中ほとんど変動が観察されなかった。OPRTとRNRはそれぞれS-1/5Gy群、S-1群とS-1/5Gy群で経時的に酵素活性の減少が観察された。
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