2007 Fiscal Year Annual Research Report
分離培養細胞および膵組織内における膵細胞の分化、増殖lineageの検討
Project/Area Number |
17591443
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
土谷 まり子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 講師 (00266826)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土谷 健 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (00246472)
安田 和基 東京女子医科大学, 国立国際医療センター, 研究部長 (80311611)
|
Keywords | 膵細胞 / mafA / mafB / c-maf / insulin / adipocytokine / transcription factor / siRNA |
Research Abstract |
今年度の研究実績は一部BBRC(356:129-135,2007)にまとめた。本論文では、インスリンの転写因子mafAのsiRNAによる発現抑制を、in vivoで行っていることが大きな特徴である。これまで遺伝子のノックダウンはノックアウトマウスによることが多かったが、この手法では成体で当該遺伝子の発現がおちてくる状態というのは追随し得ない。またsiRNAによる細胞レベルの抑制は行われているが、これでは組織、臓器間のクロストークは感知し得ない。MafAのsiRNAによるin vivoのノックダウンは、成体がインスリン分泌低下に陥る時の(糖尿病発症や、それに至る代謝異常など)最も自然に近い遺伝子の発現が観察されていると考えられる。この方法で得られたprofilingの結果のなかで、インスリンの低下は予想されたとおりであるが、最も注目すべきはadipocytokine(adipsinectin,adipsine)の低下が観察されたことであり、β細胞の分化にかかわる転写因子が、脂肪細胞の制御、脂質代謝への関与の可能性を示唆するものであった。これらの知見に基づき、今年度後半の研究実施計画に脂肪細胞における検討を挙げていたが、その成果として、1)脂肪細胞3T3L-1の分化誘導におけるmafAの発現はrealtimePCRによるmRNAのレベルと、Westerによる蛋白レベルでも発現誘導がみられ、その関与が示唆された。2)脂肪細胞においてmafAsiRNAによる発現抑制はその分化誘導を修飾し、adipocytokine,PPARr,CEBPα,β,などの発現変化をもたらした。3)さらに、脂肪滴の形成が抑制され、脂肪細胞そのものの形態的変化をもたらすなど、脂肪細胞への分化が抑制されることが示された。これらの遺伝子発現のprofilingについてはmicroarrayによる検討を行い、解析中である。
|
Research Products
(4 results)