2006 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌、膵炎におけるlumicanの細胞増殖分化に及ぼす役割
Project/Area Number |
17591445
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
内藤 善哉 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (20237184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石渡 俊行 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90203041)
工藤 光洋 日本医科大学, 医学部, 助手 (20256978)
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Keywords | 膵癌 / 膵炎 / lumican / 細胞増殖 / プロテオグリカン |
Research Abstract |
Lumicanは小型ロイシンリッチプロテオグリカンファミリーに属し、創傷治癒過程や乳癌、大腸癌、子宮頸癌などの癌組織で豊富に発現している。乳癌組織の癌周囲の間質におけるlumicanの発現が低分化腺癌、低エストロゲン受容体発現、低年齢の癌発症と関連していることが報告されている。進行大腸癌における検討ではlumicanの発現と予後の増悪とが関連していた。膵臓癌組織においても、lumicanが間質組織だけでなく癌細胞にも豊富に局在することを明らかにしてきた。膵臓癌におけるlumicanの役割について膵臓癌培養細胞と膵臓癌組織を用いて検討した。膵臓癌培養細胞(PANC-1,MIA PaCa-2,KLM-1,Capan-1,PK-1,PK8)においてlumican mRNAとlumicanタンパクの発現がみられた。正常膵臓組織の免疫組織化学染色ではlumicanが膵島のα細胞に局在し、膵臓癌周囲の慢性膵炎様組織ではα細胞と腺房細胞に豊富に局在していた。膵臓癌組織では53例中30例(57%)の癌細胞にlumicanの局在がみられ、53例中36例(68%)の間質組織にも局在が認められた。膵臓癌細胞内のlumicanの発現と臨床病理学的因子との関連はみられなかったが、間質組織のlumicanは、女性に多く局在し、進行度,後腹膜浸潤、十二指腸浸潤と正の関連を示した。膵臓癌細胞にlumicanが陽性の症例では、陰性の症例に比べ予後が良い傾向がみられた。一方、間質にlumicanが陽性の症例では、陰性の症例に比べて予後が悪い傾向がみられた。これらの結果より膵臓癌組織においては、癌周囲の間質組織のlumicanが癌の増殖、浸潤に重要な役割を果たしていることが考えられた。現在、膵臓癌におけるlumicanと細胞増殖因子との相互作用、影響について検討中である。
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Research Products
(1 results)