2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591446
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
篠原 一彦 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (00327082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苗村 潔 東京工科大学, バイオニクス学部, 講師 (90302752)
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Keywords | 医療福祉 / 外科 / 大腸内視鏡 |
Research Abstract |
研究代表者(篠原)自身による大腸内視鏡挿入時のVTR臨床画像および内視鏡挿入用トレーニングシミュレータにおける挿入手技を解析することによって、大腸内視鏡手技を階層的に分析した。その結果腸管の長短、ループ形成の程度に応じて過伸展を避け腸管の短縮を反復しながら挿入するS状結腸および横行結腸の挿入工程が以下のように分析された。すなわち初心者は主として内視鏡画像をキューとして挿入するナレッジベースの行動として、アングル操作・内視鏡の出し入れ・回転などを行なっている。しかし熟練者は画像とともに内視鏡操作に際する力覚を主たるキューとして腸管の短縮、ループ解除を患者の体位変換や腹部圧迫などとともに半自動的に行なっていくルールベースもしくはスキルベースの行動に上達している。しかし開腹手術や炎症性腸疾患の既往患者など高度な炎症や癒着が存在するケースでは、熟練者においてもナレッジベースの操作が必要となる。また高齢者や消化管出血に対する緊急内視鏡などのように極めて前処置が不良な場合や循環状態が不安定な状態なども個別の対応を要するナレッジベースの行動であることが判明した。 また張力測定装置に適応可能な張力ゲージの調整と挿入用シミュレータへの張力センサーの適切なる取り付け法を調整することで、シミュレータによる挿入時の張力測定・解析モデルを作成した。またブタ腸管を採取、冷凍保存による変化をみた。 18年度はこれらの結果をもとに実際の臨床に近いブタ腸管による測定系とシミュレータとの対比の相関を求めるとともに、さらなるナレッジベースの段階である初心者の挿入時とナレッジベースである熟練者による挿入時、双方に対応した挿入時の張力測定を行なう予定である。とくに複雑なループ形成時の測定を進める。そして無害無痛の大腸内視鏡を可能とする自走式駆動ユニットのプロトタイプを作成する予定である。
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