2005 Fiscal Year Annual Research Report
HGFアンタゴニストNK4による腫瘍新生血管抑制機序の解明および臨床応用への検討
Project/Area Number |
17591449
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90340968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (30252018)
杉本 貴昭 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (60399152)
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Keywords | 肝細胞癌 / NK4 / 腫瘍新生血管 / 骨髄移植 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
肝細胞癌に対する新しい戦略として、HGFの癌-間質相互作用を断つために強力な腫瘍血管新生抑制および腫瘍の浸潤・転移を抑制するHGFアンタゴニストであるNK4を用いて腫瘍新生血管抑制の詳細なメカニズム解明、および臨床応用へ向けた基礎的検討を行なっている。(1)培養血管内皮細胞へアデノウィルスベクターを用いNK4遺伝子を導入し、ウェスタンブロット法にてNK4蛋白の発現を確認した。今後、リコンビナントHGFの存在下にて培養血管内皮細胞の増殖・遊走能の評価を検討中である。(2)腫瘍血管新生において骨髄細胞からの誘導がみとめられるかを確認すべく遺伝子導入に先立ち全身放射線照射を行った後LacZトランスジェニックマウスの骨髄細胞移植を施行。その4週後にヒト肝癌細胞株を用いた皮下腫瘍モデルを作製した。その後NK4遺伝子導入を行い腫瘍の組織学的検討をLacZ抗体・CD31抗体を用い行うも新生血管の内皮細胞が骨髄細胞からリクルートされるという結果は得られなかった。(3)NK4の遺伝子発現をウィルスベクターを用いずhydrodynamics transfection methodにて行ったところマウス血清中に約3ng/mlという高濃度のNK4発現を認めた。この手技を頻回に行うことによって長期間・高濃度のNK4発現を得ることが可能となると思われた。以上より今年度の研究成果は、腫瘍新生血管抑制の詳細なメカニズム解明し、臨床応用へ向け研究をさらに進める。
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