2006 Fiscal Year Annual Research Report
HGFアンタゴニストNK4による腫瘍新生血管抑制機序の解明および臨床応用への検討
Project/Area Number |
17591449
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90340968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (30252018)
杉本 貴昭 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (60399152)
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Keywords | NK4 / 腫瘍新生血管 / 遺伝子治療 / 肝癌 / HGF |
Research Abstract |
肝細胞癌に対する新しいstrategyとして、HGFの癌-間質相互作用を断つために強力な腫瘍血管新生抑制および腫瘍の浸潤・転移を抑制するHGF antagonistであるNK4を用いて遺伝子治療研究を行い、マウス肝腫瘍モデルにおいて著明な腫瘍新生血管抑制および浸潤・転移の抑制、それによる優れた増殖抑制効果を確認し、報告した。これらの研究結果をふまえて、本研究課題では、本治療法をさらに発展させ臨床応用を目指すべく、NK4による腫瘍新生血管抑制の詳細なメカニズム解明、および臨床応用へ向けた基礎的検討を行なった。(1)NK4はHGFによる新生血管を阻害するだけでなく、VEGFおよびbFGFによる血管新生を強力に阻害することが報告されているが、その作用点は明らかになっていない。NK4は局所における一連の血管新生プロセスをブロックすることは報告されたが、骨髄より誘導される腫瘍新生血管を阻害しえるのか、その作用点に焦点を当ててLacz Tgマウスを用いて解析を行なった。マウス皮下腫瘍モデルを用いてLacz Tgマウスより骨髄移植行い、NK4,およびコントロールとしてLacZを発現するアデノウイルスベクターを導入し検討したが、皮下腫瘍ではコントロールでも腫瘍内に新生血管誘導が認められずNK4の作用点は評価しえなかった。(2)HGFアンタゴニストであるNK4はHGFの肝再生に負の影響を与える可能性があるため、ラットに肝切除を行いNK4発現の影響を検討したところ、肝重量、PCNA染色、BrDUにおいて肝再生はコントロールに比して有意に遅延したことより、肝癌術後早期のNK4導入には慎重であるべきと考えられた。(3)臨床応用を目指してウイルスベクターを用いないhydrodynamics transfectionにてNK4を皮下腫瘍モデルマウスに導入したところ、血中・肝組織ともにNK4の明らかな発現を確認したが、皮下腫瘍は抑制傾向を認めた。plasmid DNA量のmaximum doseを今後検討する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Book] 肝臓病の最新治療2006
Author(s)
平野公通, 飯室勇二, 藤元治朗
Total Pages
406
Publisher
先端医療技術研究所
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より