2006 Fiscal Year Annual Research Report
食道・肺の発癌における喫煙・飲酒の標的遺伝子の解明
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17591451
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
浦本 秀隆 産業医科大学, 医学部, 助手 (90389445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉尾 賢二 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70235927)
小山 倫浩 産業医科大学, 医学部, 助教授 (00309965)
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 講師 (30299614)
森田 勝 九州大学, 大学病院, 講師 (30294937)
野添 忠浩 産業医科大学, 医学部, 講師 (90325457)
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Keywords | 食道癌 / 肺癌 / 喫煙 / 飲酒 / 家族歴 / アルデヒド脱水素酵素 / メチル化 / EGFR |
Research Abstract |
目的 喫煙、飲酒による発癌の特徴を明らかにするとともに、喫煙、飲酒による食道および肺の局所での代謝酵素の誘導と発癌の感受性との関連を明らかにすることを目的とし研究を行った。 研究成果 1)食道癌の多発のrisk factorに関する検討:食道内にはしばしば癌多発が認められる。過度の喫煙、飲酒が食道癌の多発のrisk factorであること(Morita et al.J Surg Oncol 2003)、食道上皮のALDH2発現は遺伝子型と関係し、アルコール暴露により局所に誘導されることを報告してきた。(Morita et al.Front Biosci.2005)。 2)飲酒による発癌のメカニズムの解明のために、wild mouse、Aldh knock out mouseにおける代謝酵素の体内の分布を免疫組織化学染色、Western blotにて検討し、Aldh2 knock out mouseではwild mouseより、ALDH1やチトクローム系酵素が発現しており、ALDH2欠損における他の酵素の代替的な機能が示唆された(Oyama et al.Front Biosci.2006)。 3)食道癌症例において、Fhitの発現を免疫組織学的に検討したところ、食道癌近傍の正常食道上皮におけるFhitの発現が低下した症例が、高発現症例より大酒家が有意に多く、癌多発例も多いことを見いだし、Fhitが飲酒の標的遺伝子である可能性が考えられた(Morita et al.Anticancer Res.2006)。 4)肺癌症例において、methylation-specific PCRにより、p16、RASSFIA、Fhit等のメチル化の検出が可能であることを確認し、重喫煙者にp16のメチル化が高頻度であることを報告し、喫煙とメチル化による発現調節の関連を示した(Nakata et al.Cancer 2006)。 5)肺癌における上皮成長因子受容体遺伝子(EGFR)の変異が非喫煙者/低喫煙者に高頻度であり、喫煙との関連を示した(Sugio et al.Br J Cancer 2006)
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Research Products
(13 results)