2006 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌に対する新しい免疫療法を用いた集学的治療の臨床的研究
Project/Area Number |
17591460
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 淳 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90188954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣見 和宏 東京大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員(客員助教授) (80273358)
村川 知弘 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50359626)
深見 武史 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40396742)
倉知 慎 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (00396722)
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Keywords | 非小細胞肺癌 / γδT細胞 / 細胞療法 / 自主臨床試験 / 安全性 / 推奨用量 / 抗腫瘍効果 / NKG2D陽性細胞 |
Research Abstract |
本年度は当施設倫理委員会の承認のもと、臨床治験を開始した。非小細胞肺癌術後再発例に対して活性化増殖させた自己γδT細胞を容量漸増方式で2週間毎に6回投与し、安全性・抗腫瘍効果について検討を行った。 8例治療同意が得られ、6例が適格と判断され治療、うち4例が治験終了した。非適格の理由は2例ともγδT細胞が十分増殖しなかったためであった。それ以外の6例については0.45-0.9×10^9個のγδT細胞を得ることができた。治験中止例はなかった(N=4)。 安全性については、γδT細胞療法とは関連のない有害事象(感冒症候群、軽度)が一過性に認められただけであり、本治療に関連する有害事象は認められなかった。調査用紙に基づくQOL測定(N=3)では、感冒によるQOL低下が1例に認められた以外はQOL低下は認められなかった。 CT検査による再発病変評価(N=4)では有意な腫瘍径の縮小は本研究期間では認められなかった。 3例において6回のγδT細胞投与前後における末梢血中のγδT細胞のサブセット解析を行った。3例ともばらつきはあるものの投与を重ねるごとに末梢血中のγδT細胞は増加し、特にeffector活性が増加することが末梢血のフローサイトメトリーで示された。現状では明らかな抗腫瘍効果が認められないが、in vitroではMICA陽性と陰性の癌細胞株に対する細胞障害活性を検討したところMICA陽性細胞株(U266骨髄腫由来)に対する細胞障害活性にNKG2D-MICA/Bの関与が示された。 本研究では非小細胞肺癌に対する明らかな抗腫瘍効果は現在のところ示されなかったが、本治験は十分量のγδT細胞が実質4回しか投与できていないことから、今後投与量・間隔を考慮し実際の抗腫瘍効果が得られるべく検討を進めたい。
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Research Products
(6 results)